フォートリー (ニュージャージー州)

フォートリー（Fort Lee）

フォートリーは、アメリカ合衆国ニュージャージー州バーゲン郡に属する町で、2020年のデータによれば人口は約40,191人です。この町はハドソン川の西岸、標高約80メートルの高台に位置し、対岸にはニューヨーク市のマンハッタンが広がっています。フォートリーとマンハッタンを結ぶのは、長大なジョージ・ワシントン・ブリッジです。

町の特徴

ニューヨーク市の近郊に位置するフォートリーは、多くの日本人駐在員の家族が住むエリアとして知られています。その理由は、北部ニュージャージーに多くの日本企業が存在し、マンハッタンへの通勤が容易で、治安も良好であることが挙げられます。さらに、緑地が多く、ファミリー向けの賃貸物件が豊富にそろっているため、居住環境も魅力的です。また、コロンビア大学やラトガース大学へのアクセスも良好で、学生や研究者の家族も数多く住んでいます。

1980年代以降、隣接するクリフサイド・パークやエッジウォーターにも日本人駐在員が増え、日系スーパーや日本食レストラン、書店、日本人学校などが点在し、「ミニ日本人街」としての雰囲気を醸成しています。最近では、韓国系住民も増え、大規模なコリアタウンが形成されています。

高台に位置するフォートリーでは、マンハッタンの美しい景色を楽しむことができます。現在、高層住宅が増えているものの、町の大部分は低層住宅街で、緑豊かな公園や自然が点在しています。大型ショッピングモールや24時間営業のスーパーも多く、買い物に不便はありませんが、公共交通機関はバスに限られており、車が生活の中心となります。

歴史

フォートリーの名称は、アメリカ独立戦争の際にジョージ・ワシントンとチャールズ・リー将軍がこの地に陣を敷いたことに由来しています。1776年、ワシントンがフォートリーのメインストリートを行進した実績があります。1931年に完成したジョージ・ワシントン・ブリッジが町とマンハッタンを結び、フォートリーは繁栄の道を歩みました。

映画の中心地

19世紀から20世紀初頭、フォートリーは映画の創成期においてハリウッドと同様の地位を占めていました。映画スタジオが多く存在し、トーマス・エジソンが開発した映画が世の中に広まる起点にもなったのです。しかし1910年代以降、多くのスタジオがカリフォルニア州のハリウッドに移転してしまい、1930年代にはほとんどの映画スタジオがその地に移ってしまいました。

民族構成

2020年の国勢調査によると、フォートリーでは約44%がアジア系で、その大多数は韓国系です。また、白人は約43%、ヒスパニックは約13%を占めています。近隣のパリセイズ・パークにも同様の傾向が見受けられます。

教育

フォートリーには公立の小学校が4校（No.1〜No.4）、中学校や高校も存在します。多くの日本人子供が地元の学校に通っており、学校によってはアジア系の子供が半数を占めることもあります。町の北側には認可日本人学校、ニューヨーク育英学園もあり、通学圏内には裕福な家庭が多く、有名私立学校も多いです。

日常生活

韓国系スーパーも多く、日本食材の入手には困りません。エッジウォーターには「ミツワマーケットプレイス」があり、その他にも日本食レストランや許可された道場も点在しています。マンハッタンへのアクセスは、バスでの移動が一般的で、多様なルートがあります。所要時間も経路によって異なりますが、便利です。

遊園地の歴史

かつては「パリセイズ・アミューズメント・パーク」という人気遊園地がありましたが、住民の反対により閉鎖されました。フォートリー歴史博物館では、その当時の写真を見ることができます。

このように、フォートリーは豊かな文化と歴史を持ち、住みやすい地域として多くの人々に愛されています。

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