フォーミュラE

FIAフォーミュラE世界選手権の概要

FIAフォーミュラE世界選手権（FIA Formula E World Championship、通称フォーミュライー）は、バッテリー式電気自動車（BEV）を用いたフォーミュラレースです。このレースシリーズは、2014年9月からスタートし、現在では「電気自動車のF1」とも称されています。フォーミュラEは、特に都市部の大気汚染防止を目的に設立されており、国際自動車連盟（FIA）の正式な認定を受けた新しいモータースポーツの形態として注目されています。

設立と運営

フォーミュラEは、2012年8月にFIAの発表により設立が決定しました。その運営はフォーミュラEホールディング（FEH）が担当し、CEOにはアレハンドロ・アガグが選ばれました。レースは世界各地の大都市や観光名所の市街地コースで行われ、一般的には秋に始まり、年間約10戦がスケジュールされています。シリーズ初期には「e-Prix」と呼ばれるイベント名が用いられていましたが、世界選手権に昇格した後もその名は引き継がれています。

マシンとレギュレーション

最初のシーズンでは、すべてのチームが同じマシン「スパーク・ルノー・SRT 01E」を使用するワンメイクレースが行われましたが、2015-16年シーズンからはチーム独自のパワートレインの開発も始まりました。最初はドライバーが2台のマシンを使って乗り換えるスタイルでしたが、2018-19年シーズンからは変更が無くなり、1台のマシンでレースを完走することが求められました。将来のレースではワイヤレス充電システムの導入も計画されています。

レースは90分のイベントで、練習走行と予選を経て行われます。ポイント制度は、1位から10位までを対象とし、加えてポールポジションとファステストラップを獲得することでもポイントが与えられます。特に、サポートレースとして、自動運転車による「ロボレース」の計画も進行中です。

参戦チームとメーカー

初年度はプライベーターチームが中心でしたが、シーズン2からは各メーカーの参入が増加しました。ルノー、シトロエン、アウディ、BMW、さらには新興EVメーカーのNIOなど、モータースポーツ経験のないブランドでも多くが参戦しています。近年では、日産が2018-19シーズンから、ヤマハも2024-25シーズンから参戦を予定しており、ホンダも参加の可能性を模索中です。

評価と反応

フォーミュラEは静かなレースであるため、従来のモータースポーツと異なり、レース中にBGMが流れるなどの工夫がされています。しかし、初期にはエンジン音なしのレース形式に対して批判的な意見も多々ありました。F1ドライバーからは、フォーミュラEに対する疑問の声や批評が寄せられ、特にバッテリーの持続性やマシントラブルが懸念事項となっています。

一方で、フォーミュラEは持続可能なモータースポーツの形態としての未来的なビジョンを示しており、環境に配慮した技術の発展や新しいレース体験が求められています。これにより、F1に代わる新たなレースカテゴリーとしての地位を確立する可能性も秘めています。

メディアと放送

フォーミュラEは、国際放送権を有するFOX SPORTSなど、多くのメディアに取り上げられています。日本国内でもJ SPORTSが全戦生中継を行っており、さらにBSフジなどがハイライト放送を行っています。これにより、フォーミュラEの人気は年々高まってきています。

フォーミュラEは、環境への配慮を重視する現代のモータースポーツとして、今後も競技と技術革新を通じて進化し続けるでしょう。

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