フォーリング・イン・ラヴ、アゲイン

アルバム『フォーリング・イン・ラヴ、アゲイン』の紹介

日本のジャズ界において高い評価を得ているピアニスト、小曽根真が2007年にリリースしたアルバム『フォーリング・イン・ラヴ、アゲイン』は、彼のソロ・ピアノ作品としては実に13年ぶりのものです。本作には全13曲が収録されており、そのうち8曲は他アーティストの作品をカバーしたもので、残りの5曲は小曽根によるオリジナルの即興演奏となっています。

レコーディングの背景と使用楽器

このアルバムの制作にあたり、小曽根はヤマハのグランド・ピアノ「CF-IIIS」を使用しました。この楽器の特性を生かし、彼は自らの感性を存分に表現しています。特に、即興演奏の部分では彼の創造力が如何なく発揮されており、リスナーを惹きつける魅力にあふれています。

収録曲の詳細

アルバムの各楽曲は以下の通りで、特記がないものはすべて小曽根真が作曲しています。

1. スターティング・オーヴァー - ジョン・レノンの1980年の名曲をカバーしたこの曲は、彼の繊細なピアノプレイが印象的なオープニングトラックです。
時間は6:06。

2. インプロヴィゼーション #1 - 短いながらも彼の即興演奏の素晴らしさが詰まった1分47秒。

3. ホワット・マイト・ハヴ・ビーン - マイク・スターンの作品をカバーし、特に感情豊かに表現されています。
時間は6:48。

4. マーサ・マイ・ディア - ビートルズの名曲を情熱的に再解釈した4:01の楽曲。

5. インプロヴィゼーション #6 - またもや短い即興作品で、1分49秒の間に彼の独創性が凝縮されています。

6. インプロヴィゼーション #3 - 3分7秒のこのトラックも、彼の即興に対するアプローチが光ります。

7. Story - AIの楽曲を小曽根自身のスタイルでカバーした6:52のトラック。

8. ターン・アウト・ザ・スターズ - ビル・エヴァンスによる名曲のカバーです。全体の雰囲気を引き締める重要な5:18の楽曲。

9. インプロヴィゼーション #4 - 2:32の短い即興作品も聴き逃せません。

10. エンハーモニー - 塩谷哲による楽曲のカバーで、彼の解釈が光る6:45のトラックです。

11. ローラズ・ドリーム - アストル・ピアソラの作品を小曽根流にアレンジした8:52の美しい楽曲。

12. インプロヴィゼーション #5 - 再び彼自身の即興作品で、2:20という短い時間の中にも彼の表現力が込められています。

13. シー - シャルル・アズナヴールの名曲のカバーで、5:14という時間が彼の解釈の余韻を感じさせます。

アルバムの評価

本作は、ジャズ業界で名高い『Swing Journal』誌においても高く評価され、第7期第88弾ゴールドディスクに選ばれるなど、その音楽的価値が証明されています。小曽根真の才能を存分に体感できるこのアルバムは、ジャズファン必聴の1枚と言えるでしょう。

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