フクニチスポーツ

フクニチスポーツの概要

フクニチスポーツは、福岡県で発行されていたスポーツ新聞で、1956年に創刊されました。この新聞は、フクニチ新聞社によって運営されており、九州エリアでは三番目となるスポーツ紙として登場しました。その独自の立ち位置により、地域スポーツ情報の発信役として重要な役割を果たしていました。販売エリアは福岡県を中心に、九州全県や山口県の一部地域でも広く展開されていましたが、特に駅売店やコンビニエンスストアを通じたスタンド販売が特徴でした。

歴史的背景

フクニチスポーツは、創刊当初、同業の西日本スポーツと共に当時福岡市を拠点とする西鉄ライオンズ（現在の埼玉西武ライオンズ）に関する報道を中心に掲載していました。しかし、西鉄ライオンズが1982年に本拠地を福岡から埼玉県所沢市に移した際、フクニチスポーツはその方向性を転換し、地域を中心としたアマチュアスポーツの報道に注力することになりました。具体的には、福岡県や佐賀県、長崎県の公営競技に関する情報も豊富に取り上げ、「フクスポ杯」といった冠イベントに協賛するなど、地域スポーツの発展にも寄与していました。

1988年には、南海ホークスがダイエーに売却され、その本拠地が大阪市から福岡に移転したのをきっかけに、福岡ダイエーホークス（後の福岡ソフトバンクホークス）に関する報道にシフトしました。さらに、1989年には九州のスポーツ紙の中で西日本スポーツに次いでカラー印刷を導入し、視覚的な部分でも競争力を高めました。

経営の厳しさ

しかし、フクニチスポーツは、1966年に九州スポーツ（東京スポーツの地方版）が創刊され、続いて1977年には日刊スポーツが九州に進出するなど、競争が激化する中で発行部数が減少しました。これがフクニチ新聞社の経営を圧迫し、結果的に1992年4月には経営不振による休刊が決定されました。

最末期の番組表

フクニチスポーツの休刊時点では、様々な局の番組が掲載されていました。最末期の1992年4月の番組表には、以下のような情報が含まれていました：

• - フルサイズ局: NHK総合・NHK教育、RKB、KBC、TNC、FBS、TVQ など
• - ハーフサイズ局: STS、RKK、TKU、KKT、KAB、NBC、KTN、NCC、NHK衛星第1・第2、WOWOW など
• - クォーターサイズ局: TYS、KRY、OBS、TOS、UMK、MRT、MBC、KTS、KKB など

フクニチスポーツは、地域スポーツの重要な情報源として、福岡県民に親しまれた過去を持ちます。競争や経済の波に翻弄されつつも、地域に根ざした報道を続けてきた意義は、現在の報道形態においても重要な教訓として考えることができるでしょう。

もう一度検索