フクロエビ上目

フクロエビ上目について

フクロエビ上目（学名: Peracarida）は、様々な環境に生息する甲殻類のグループです。海水、淡水、さらには陸上でも見られるこのグループは、主に育児嚢を持つことによって知られています。全体で約1万2000種が存在し、大部分が小型で体長2cm以下ですが、中には最大76cmに達するダイオウグソクムシのような大型種も含まれます。

特徴

フクロエビ上目の最も注目すべき特徴は、雌が持つ育児嚢です。育児嚢は胸肢の基部から突き出ている薄い板状の覆卵葉で構成されており、卵を抱えるための空間を形成します。この空間では、卵が直接発生することが多く、剛毛で覆われた覆卵葉が卵を保護します。また、フクロエビ上目の一部の種では、最後の1対の脚がないマンカ幼生と呼ばれる段階を経ることもあります。

さらに、1対またはまれに2対の顎脚を持ち、胸部体節と融合しない甲羅を持つことも特徴です。特にテルモスバエナ目は地中に生息し、独特の形態を持つことで知られています。

分類

フクロエビ上目に含まれる目の正確な分類については研究者の間で意見が分かれています。Martin & Daviesによると、以下の11の目をフクロエビ上目に分類しています。

• - 端脚目 (Amphipoda)
• - クーマ目 (Cumacea)
• - ワラジムシ目 (Isopoda)
• - ロフォガスター目 (Lophogastrida)
• - ミクトカリス目 (Mictacea)
• - アミ目 (Mysida)
• - Pygocephalomorpha目（現在は絶滅）
• - スペレオグリフス目 (Spelaeogriphacea)
• - Stygiomysida目
• - タナイス目 (Tanaidacea)
• - テルモスバエナ目 (Thermosbaenacea)

一方で、Ruppert, Fox, and Barnesはテルモスバエナ目を除外し、これをPancaridaと呼ばれる別の目に分類しています。また、ロフォガスター目、アミ目、Pygocephalomorpha目を統合して一つのアミ目（Mysidacea）として扱っていますが、Meland and Willassenの研究によると、これらの目は実際には近縁ではないことが分かっています。

さらに、Lowry and Myersは端脚目（Amphipoda）の1亜目であったインゴルフィエラを独立した目として再分類しました。このように、フクロエビ上目の分類は非常に複雑で、多様な進化の過程を反映しています。

出典と外部リンク

フクロエビ上目に関する情報は、以下の資料や外部リンクからも入手可能です。

• - Gary Andersonによる論文「Peracarida Taxa and Literature」が、2011年5月7日にUniversity of Southern Mississippiで発表され、詳細な分類情報が記載されています。

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