フセイン・モハンマド・エルシャド

フセイン・モハンマド・エルシャド

フセイン・モハンマド・エルシャドは、1930年2月1日に英領インドのクーチ・ビハール王国で生まれました。1948年にディンハタから東ベンガルへ移住し、ランプールのカーマイケル大学で教育を受けました。1950年にはダッカ大学を卒業し、1952年にはコハトの将校訓練学校を経てパキスタン軍に入隊しました。軍での彼の最終階級は中将でした。

1982年、エルシャドはクーデターを実行し、議会を解散させ、戒厳令を布告しました。彼は中枢指導者としての地位を握り、憲法を一時凍結し、政治活動を禁止しました。しかし、彼はバングラデシュの外交政策を穏健で非同盟的な方向に導くことを約束しました。

1983年の12月、エルシャドは正式に大統領に就任しました。彼はそれ以降、公共の安全に対する懸念に対処しながら、選挙の形式を模索しました。同年の1月には、完全な政治的権利が復活し、エルシャドの政党であるジャティヨ（人民）党が設立されました。彼はその後、1986年に陸軍幕僚長の職を辞任して大統領に再選されましたが、この選挙では主要野党が候補者を立てることを拒否しました。

エルシャド政権は、経済的な成果にもかかわらず、様々な困難に直面しました。1987年の7月には、野党が政府政策に対して初めて一致団結し、エルシャドは同年の11月に非常事態を宣言しました。また、12月には議会を解散するとともに、翌年3月には新たな議会選挙を実施すると発表しました。

この選挙では、エルシャドの党が300議席中251議席を獲得しましたが、主要野党は一切参加を拒否しました。それに対し、与党はともかくも議会において複数の立法案を通過させ、特にイスラム教を国教とする修正が賛否を呼びました。

しかし、1990年に入ると、エルシャドの独裁体制に対して反対運動が活発化し、ゼネストや抗議運動が相次ぎました。特に、同年11月から四半期にかけての市民の蜂起が強まり、1990年12月6日には彼が辞任することとなりました。その後、エルシャドは汚職の罪で有罪判決を受け、投獄される運命を辿ったのです。

彼の個人的な人生にも影響が及び、2019年6月26日に急激な体調の悪化に見舞われた後、ダッカの複合軍病院に入院しました。だが、彼の健康は回復せず、2019年7月14日に89歳での生涯を終えました。彼の葬儀は、国葬として死後2日間に行われることとなりました。エルシャドの人生は、バングラデシュの政治史における重要な一ページを飾っています。

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