フッ化物応用

フッ化物応用について

フッ化物応用、特に虫歯予防におけるその重要性が注目されています。フッ化物は、主に萌出した歯に作用する局所応用と、萌出前の歯の形成期に影響を与える全身応用の2つに分類されます。特に日本では、フッ化物配合の歯磨剤が広く使用され、最も一般的なフッ化物応用となっています。

日本におけるフッ化物応用の歴史

日本において、フッ化物応用についての議論が始まったのは1971年からであり、その後も様々な機関が見解を示してきました。2000年には厚生労働省がフッ化物の応用に関する合意文書を発表し、特に水道水へのフッ化物添加についての議論が活発になりました。

1971年には日本歯科医師会がフッ化物に関する基本的見解を発表し、続いて1972年には日本口腔衛生学会が水道水フッ化物添加の推進表明を行いました。1982年には、フッ化物のう蝕予防プログラムに関する見解が発表され、1985年には国会で関連する質問と答弁が行われました。

1999年には日本歯科医学会がフッ化物についての総合的見解を示し、2000年には厚生労働省がフッ化物塗布やフッ化物配合歯磨剤に関する目標を発表しました。これにより、フッ化物の重要性がますます広まっていきました。

フッ化物の局所応用

フッ化物の局所応用は、萌出した歯に直接作用することを目的としています。特にフッ化物配合の歯磨剤は、歯の表面に作用し、エナメル質の耐酸性を高める効果があります。フッ素は、歯の再石灰化を促進することで、むし歯の予防や治療に寄与するとされています。

1948年に日本で初めて市販されたフッ化物配合歯磨剤は、1950年代から徐々に普及しました。1980年代に入ると、モノフルオロリン酸ナトリウムを含む歯磨剤が登場し、シェアが10％を超えるに至ります。現在では、フッ化物配合の歯磨剤は国内で90％以上のシェアを持つに至っています。

フッ化物洗口法

さらに、フッ化物洗口は、フッ化物水溶液を用いてのうがいによって、エナメル質にフッ化物を作用させ、虫歯予防を図る方法です。研究によると、この方法は永久歯の虫歯発生を27％以上も減少させる効果があります。

フッ化物の全身応用

全身応用の手法には、水道水へのフッ化物添加が含まれます。これによって、多くの住民が虫歯を予防できる可能性があります。特に北アメリカやオーストラリアでは、自治体での水道水フッ化物添加が実施されており、日本国内でも在日米軍基地でのフロリデーションが行われた歴史があります。

1952年から1965年まで京都市で行われた実験的なフロリデーションや、その後の三重県での取り組みなどがその一例です。2022年には新潟県知事が新たな展開の可能性を示唆しています。

フッ化物サプリメント

アメリカでは飲料水のフッ化物濃度が基準に満たない地区で、フッ化物サプリメントが処方されることがあります。コクラン共同計画では、6歳以上の学生がこのサプリメントを用いることで虫歯予防の効果が認められたと報告されています。

これらの様々な応用方法を通じて、フッ化物は虫歯予防において重要な役割を果たしています。フッ化物の効果を最大限に引き出すためには、これらの知識を有効に活用することが求められます。

もう一度検索