フニャディ・ラースロー

フニャディ・ラースロー（1433年 - 1457年）は、ハンガリー王国の貴族、政治家であり、英雄フニャディ・ヤーノシュの息子として生まれました。弟には、後にハンガリー王となるマーチャーシュがいます。

ラースローは若い頃から父の軍事遠征に参加し、1448年のコソボの戦い後には、父の代理としてセルビア専制公のもとに人質として預けられました。1452年には、ハンガリー王ラディスラウス・ポストゥムスをウィーンから連れ戻す使節団に加わり、1453年にはクロアチアとダルマチアのバン（太守）に任命されるなど、順調にキャリアを重ねました。

しかし、1455年のブダでの議会で、ツェリェ伯ウルリク2世らの反フニャディ派貴族から糾弾を受け、一時的に全ての官職を辞任することになります。その後、両陣営は和解し、ラースローはガライ・ラースローの娘マーリアと婚約しました。

1456年に父ヤーノシュが亡くなると、ラースローは王国軍総司令官の地位を継承します。しかし、ウルリク2世は、父ヤーノシュが国庫から借りた未返済の借金をラースローに迫りました。同年10月の議会でラースローは見事な弁明を行い、この窮地を脱します。ウルリク2世はラースローに和解を装い、フニャディ家が管理する王室の城を明け渡すよう要求し、その見返りとして一家を保護すると約束しました。まず、ラースローが司令官を務めるナーンドルフェヘールヴァール（現在のベオグラード）が明け渡されました。しかし、ウルリク2世と国王ラディスラウスは共謀し、ラースローを軍から排除しようと画策します。そして11月9日、ウルリク2世はフニャディ家の家臣によって暗殺されるという事件が起こります。

ウルリク2世暗殺後、少年王ラディスラウスはフニャディ家を庇護すると約束し、ラースローを財務長官兼王国軍総司令官に任命しました。しかし、ブダに到着したラースローは、ラディスラウスに対する謀反の疑いをかけられ逮捕され、法的手続きを経ずに死刑を宣告され、1457年3月16日に斬首されました。享年24歳。

フニャディ・ラースローの悲劇的な生涯は、19世紀のハンガリーの作曲家エルケル・フェレンツによってオペラ「フニャディ・ラースロー」として描かれています。

もう一度検索