フューチャーポップ

フューチャーポップ (Futurepop)

フューチャーポップは、シンセポップの特性と高揚感のあるトランス音楽から影響を受けた新しい音楽ジャンルです。特にメロディーにおいては、シンセサイザーによるアルペジエーターを取り入れ、壮大さを表現することが特徴です。このジャンルは、イギリスやアイルランド出身のバンドVNV Nationのロナン・ハリスと、ノルウェーのApoptygma Berzerkのステファン・グロスによって名付けられました。

フューチャーポップの背景

主にドイツに根ざしているフューチャーポップは、音楽的実験と各国の音楽スタイルが交錯することによって生まれました。日本では、フューチャーポップよりもEBM（エレクトロニック・ボディ・ミュージック）が先に知られているため、その知名度はまだ十分とは言えません。また、フューチャーポップという言葉が生まれた背景には、各アーティストの個性的な音楽スタイルが深く関わっています。

ジャンルの誤解と成り立ち

日本では一部の音楽ファンの間で、「ネオ渋谷系」と呼ばれるジャンルがフューチャーポップと混同されることがありますが、実際には直接的な関連はありません。フューチャーポップという言葉が初めて日本で登場したのは、2003年の雑誌『MARQUEE』の特集「Future POP」においてです。この特集ではBuffalo DaughterやCOILへのインタビュー、さらにnobleレーベルを中心にしたディスクレビューが掲載されており、単なるポップミュージックに対する新しい視点を提供するために用いられました。

特に『MARQUEE』は関連性に富んだアーティストに焦点を当て、次号でも「23［フューチャーポップ］23」と題した特集を組みました。ここでアーティストの特徴が明確に表現され、Neon系統の音楽と接点がありながら新しい世代感を打ち出しました。編集長の松本昌幸は、フューチャーポップが表す「世代」を設定し、音楽性と社会背景が交錯する認識を持たせました。

その後、『MARQUEE』ではフューチャーポップの名を冠した特集が繰り返し組まれ、コミュニティを形成していきます。特にcapsule、エイプリルズ、Hazel Nuts Chocolate、Plus-Tech Squeeze Boxなどのアーティストが、フューチャーポップの代表的存在として紹介されました。

日本と海外のアーティスト

現在の日本において、フューチャーポップを持つ著名なアーティストは多岐にわたり、Perfumeを筆頭に、エイプリルズ、元気ロケッツ、capsule、RAM RIDERなどがいます。特にPerfumeは、フューチャーポップのスタイルでの楽曲作りが評価されており、2018年にはアルバム「Future Pop」をリリースしました。

また、海外のアーティストに目を向けると、Apoptygma BerzerkやVNV Nation、ダフトパンクなどがその名を馳せています。特にダフトパンクの「One more time」は、フューチャーポップの特徴を多く取り入れた名曲です。

このように、フューチャーポップというジャンルは、地域や国を越えて影響し合うことで魅力を増し、今後もさらに多様な音楽が展開されることが期待されています。

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