フライス盤

フライス盤の概要

フライス盤とは、ミリング・マシンとも呼ばれ、切削工具を回転させながら固定した工作物を加工するための機械です。具体的には、回転軸に装着したフライスを用いて、平面、溝、歯車など多様な形状の切削を行います。フライス盤は、金属加工や精密機器の製造に不可欠な工具となっています。

歴史

フライス盤の発明は1814年から1820年代にさかのぼり、様々な発明家によって開発されました。最古のフライス盤は、1818年にアメリカのイーライ・ホイットニーが制作した横フライス盤とされ、主に銃器部品の製作に用いられました。1857年には、イギリスで立フライス盤が初めて作られ、現在はパリの博物館に保管されています。1860年代には、万能フライス盤も登場し、これにより歯車やドリルの切削が可能となりました。

構成と機能

フライス盤は、ベース、コラム、テーブルなどの主要な構成要素から成り立っています。テーブル上には工作物が固定されており、フライスによって切削されます。横フライス盤は主軸が水平で、立フライス盤は垂直に設置されています。おかげで、それぞれ得意とする加工方法があります。

ベースは機械全体を支え、コラムが主要な構造を形成します。テーブルは可動式で、フライスの刃先で加工が行えるようになっています。テーブルは、ハンドルを回すことで縦横に動かせ、3次元方向への切削加工が可能です。フライス自体も交換が可能であり、用途に応じた多様な回転工具が用意されています。

分類

フライス盤は主に二つの基準で分類されます。

• - 主軸方向による分類

- 立フライス盤: 主軸が地面に対して垂直方向に配置され、特に四角形状の加工に適しています。
- 横フライス盤: 主軸が水平に配置され、溝加工や切断加工を得意とします。
- 万能フライス盤: テーブルの角度を自由に調整でき、さまざまな加工が可能です。

• - 移動形態による分類

- ひざ形: 主軸は固定され、テーブルが3Dに動きます。
- ラム形: 主軸はY方向に、テーブルはZX方向に動きます。
- ベッド形: 主軸はZ方向で、テーブルはXY方向に動きます。

この他、手動で操作する手動フライス盤や、数値制御で高精度な加工が行えるNC・CNCフライス盤もあります。これにより、熟練した技術を要さずに複雑な形状を加工できるようになりました。

主な工具

フライス盤で利用される主な切削工具には、正面フライス、エンドミル、ボーリングヘッド、面取りフライスなどがあります。これらの工具は各種の加工や穴あけ、面取りなどに特化して設計されており、精密な加工を実現します。さらに、工作物をテーブルに固定するためのマシンバイスやクランプ、切削工具の取り付けにはミーリング・チャックやドリルチャックなどが使用されます。

まとめ

フライス盤はその構造や機能から、金属加工において非常に重要な存在です。多様な工具や制御方式を持つフライス盤は、工作物の切削加工を行う際に欠かせない機械です。特に、近年ではNCやCNC技術の発展によって、さらに精密で効率的な加工が可能になっています。

もう一度検索