フライト・インターセプト・トラップ

フライト・インターセプト・トラップ（FIT）について

フライト・インターセプト・トラップ（FIT）は、昆虫採集において非常に効果的な装置です。特に、飛行する昆虫が障害物にぶつかる特性を活かして設計されており、衝突板トラップやウィンドウトラップとも呼ばれています。一般的には、甲虫などの小型昆虫をターゲットにして採集を行うのに用いられます。

トラップの構成

FITの基本的な構造は、透明なガラスまたはプラスチックの板、支柱、そしてホルマリンやエチレングリコールなどの液体を入れたバットから成り立っています。まず、地面に立てられた棒にガラスやプラスチックの板を垂直に取り付けます。この板に飛んできた昆虫が衝突すると、そのまま液体の入ったバットへ落下し、容易に採集することができます。

このトラップのバリエーションには、マレーズトラップと組み合わせたスタイルや、テント状の形状をもつテントウィンドウトラップなどが存在します。また、安価で軽量な素材を使用した簡易型トラップもあり、持ち運びが便利です。

目的と効果

FITは特に小型甲虫の採集に特化して開発されており、ハネカクシ科などの昆虫を集めるのに非常に適しています。さらに、テントウィンドウトラップを用いることで、アブ科やヤドリバエ科といった双翅目や、寄生蜂など膜翅目の昆虫も多く採集できることが知られています。

このように、FITは特定の昆虫を効率的に捕獲する能力を持ち、昆虫学の研究や調査の際に重要な役割を果たします。採集結果は、生態系の理解や昆虫の行動研究においても貴重なデータとなります。

参考文献と関連項目

フライト・インターセプト・トラップに関するさらなる知識を得たい場合、馬場金太郎と平嶋義宏が編纂した『昆虫採集学』が参考になります（1991年、九州大学出版会）。昆虫採集における他のトラップ方法についても、同書ではトラップの種類や適用方法が解説されています。

昆虫採集においては、マレーズトラップや他のトラップとの組み合わせが、さらに効率的な採集を実現する可能性があります。昆虫学者にとって、これらのトラップの活用は研究上の重要な要素と言えるでしょう。

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