フライングフィッシュ (潜水艦)

USS フライングフィッシュ (USS Flying Fish, SS/AGSS-229)

フライングフィッシュは、アメリカ海軍に所属するガトー級の潜水艦であり、艦名はトビウオに由来します。艦艇としては1838年に南極探検に加わったスクーナーに続く2代目で、後にスタージョン級として3代目も就役しました。

艦歴

この潜水艦は1941年にメイン州キタリーのポーツマス海軍工廠で建造が始まりました。1941年7月9日、進水式を迎え、艦長グリン・R・ドナホ少佐の指揮のもと、真珠湾攻撃の2日後に就役を果たしました。

第1の哨戒 (1942年6月 - 7月)

フライングフィッシュは、1942年4月に訓練を終え、5月中旬に真珠湾を出航し、ミッドウェー海戦に参加します。戦闘では日本艦隊への警戒任務を果たしながら、複数の標的を攻撃しましたが、戦果を挙げることはできませんでした。第1の哨戒を経て、53日間の行動を終えて帰投しました。

第2の哨戒 (1942年8月 - 9月)

次の哨戒ではトラック諸島に向かい、そこで日本艦隊に遭遇。大和に攻撃を試みましたが、命中はしませんでした。その後、哨戒行動中に二度の爆雷攻撃を受けて艦艇にダメージを受けつつも、何とか任務を全うしました。

第3から第5の哨戒 (1942年10月 - 1943年5月)

その後の哨戒任務ではソロモン諸島周辺でいくつかの攻撃を行い、一定の成果を上げました。特に12月の攻撃では、駆逐艦を撃沈したと評価されたケースもありました。一連の行動を終え、1943年の初頭に真珠湾へと帰還します。

第6の哨戒 (1943年6月 - 7月)

再び台湾方面への任務で、敵船団に対して攻撃を行い、いくつかの艦船を撃沈しています。戦闘の合間に二度目のオーバーホールで艦艇の修理を行い、艦長が復帰します。

第7の哨戒 (1943年10月 - 11月)

パラオ周辺への哨戒での成果は限定的でしたが、敵艦との交戦という貴重な体験を積みました。第8回から第10回の哨戒でも活発に活動し、フィリピンや台湾周辺での任務を繰り広げます。

最後の活躍と戦後

1945年にはバーニー作戦に参加し、重要な水路への攻撃を行いました。戦後はニューロンドンを拠点に予備役の訓練任務に従事し、1954年に退役。フライングフィッシュは、12回の哨戒の内、11回は成功を収め、58,306トンの敵艦を撃沈し、12個の従軍星章を受けました。彼女の歴史は、アメリカ海軍の潜水艦戦の中で特筆すべきものとなっています。

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