バーニー作戦

バーニー作戦

バーニー作戦（Operation Barney）は、第二次世界大戦中の1945年6月に、アメリカ海軍の潜水艦部隊が日本海で展開した通商破壊活動の一環です。この作戦では、対馬海峡を経由し、日本海に潜入したアメリカの潜水艦が日本の商船を襲撃しました。数隻の商船を撃沈することに成功したものの、アメリカ側もいくつかの損失を被る結果となりました。

背景

1945年4月、沖縄に対してアメリカ軍が上陸したことにより、日本とその占領地、特に東南アジアを結ぶ南方航路は閉鎖されました。日本国内に残された航路は、日本海と黄海を利用した大陸航路と、内航路に限られていました。その中でも、日本海を利用した通商航路は、食料や資源の輸送に不可欠であり、重要性を増していたのです。

その一方で、アメリカ海軍の潜水艦部隊は、日本の海上交通が厳しくなる中で、獲物が少なくなり、戦果も限られていました。太平洋艦隊のチャールズ・A・ロックウッド司令官は、こうした状況を憂慮し、日本の大陸交通を断つために「天皇の浴槽」として知られた日本海での通商破壊作戦を策定しました。過去にも日本海での潜水艦の活動がありましたが、その当時は獲物が乏しく、10月にはほとんど活動が行われていなかった状態でした。

作戦の準備

バーニー作戦の計画は非常に周到に練られ、参加する9隻の潜水艦は「ヘルキャッツ」と名付けられました。これらの潜水艦は、最初に「シードッグ」が旗艦となり、さらに3つのグループに分かれ、それぞれ特定の任務を持って行動するように設定されました。

日本側でも潜水艦の侵入を警戒し、海上交通の防衛策を講じていました。対潜機雷が幅広く敷設され、護衛艦隊や掃討部隊が展開されていましたが、燃料不足により大規模な護送船団は編成できませんでした。。

戦闘の経過

作戦の発動は1945年5月27日から29日で、ヘルキャッツの9隻はグアムから出撃しました。最初に救助任務に向かった潜水艦は、B-29爆撃機の乗員を救助し、その後に日本海に向かいました。6月5日から6日には、各艦は対馬海峡を無事に通過し、日本海での作戦の準備を整えました。

攻撃は6月9日の日没後に開始され、ハイドマンズ・ヘップキャッツは函館港へ向かう航路を狙いました。「シードッグ」は佐渡北方で商船を撃沈し、作戦の最初の戦果を上げました。

日本側の反応も迅速で、護送船団の一部が沈没の通報を行い、海上護衛総司令部も敵潜水艦の侵入を把握。対潜作戦が強化され、日本側も戦果を挙げようと奮闘しました。

結果

最終的に、バーニー作戦では27隻の商船および徴用船が撃沈され、アメリカ側の戦果は著しく増加しました。この結果、日本海の輸送路も深刻な危機に晒され、日本海での通商活動に関する新たな策略や運用が急がれました。バーニー作戦の施行は、日本側にとっても通商防衛の必要性を再認識させるきっかけとなり、その後の作戦計画に影響を与えました。

日本側は、対潜機雷堰の構築を加速させ、蘇る潜水艦の再侵入に備える体制を整えていきました。この作戦は、終戦に向けた日本の戦略的な転換点ともなったのです。

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