フラガラッハ

フラガラッハは、ケルト神話に語り継がれる伝説の剣であり、その名は「回答者」または「報復者」を意味します。この剣は、海の神マナナン・マクリルから光の神ルーに授けられたとされています。ただし、ルー自身が鍛え上げたと伝える説も存在しますが、明確な記述は確認されていません。

フラガラッハの最大の特徴は、その圧倒的な破壊力です。一度その刃が向けられたならば、いかなる鎧も防御の役には立たず、敵を確実に打ち倒すと伝えられています。また、この剣は物理的な力だけでなく、魔法的な力も持ち合わせており、どんなに頑丈な鎖であっても、いとも簡単に断ち切ることができるとされています。

伝説によれば、フラガラッハは持ち主が抜こうと念じるだけで、自ずと鞘から抜け出し、ルーの手に収まったとされています。また、敵に向かって投げれば、剣自身が敵を討ち果たし、その後、持ち主の元へと帰ってくると言われています。さらに、フラガラッハによって受けた傷は決して癒えることがないとされており、この剣の恐ろしさを際立たせています。

フラガラッハは、英語では「アンサラー（Answerer）」とも呼ばれることがあります。日本語の書籍においては、「応酬丸」「応答丸」「回答者」など、様々な訳語が用いられています。

参考文献

グリーン, ミランダ・J 著、市川裕見子 訳『ケルトの神話』丸善株式会社、1997年。ISBN 4-621-06062-7。

関連項目

クラウ・ソラス
* ブリューナク

もう一度検索