フラック・アタック

フラック・アタック（FLAK ATTACK）

『フラック・アタック』は、1987年にコナミが開発した縦スクロールシューティングゲームであり、海外タイトルは「MX5000」です。このゲーム名「Flak Attack」は英語で「高射砲撃」という意味を持ち、そのため「フラッグアタック」という表記は誤りです。リリース当初から長い間家庭用ゲーム機への移植はなされませんでしたが、最近になってPS4版とNintendo Switch版のアーケードアーカイブスにて配信が開始されました。

このアーケードアーカイブス版では、タイトル画面でコナミコマンドを入力することで、海外版の『MX5000』を楽しむことができます。『フラック・アタック』は、同時期にリリースされたコナミの人気タイトル『A-JAX』と比べると、派手な演出が少なく、同社の音楽制作チーム「コナミ矩形波倶楽部」によるBGMアレンジもあまり取り上げられなかったため、比較的マイナーな存在となっています。

ゲームの概要

プレイヤーは、架空の国「ラフアニス国」の最新鋭戦闘機「MX5000」を操り、世界制覇を企むテザリス帝国の巨大コンピューター「Zeda-X」を破壊する任務を果たします。ゲームは全10面から構成されており、実質的には各面の構成が前半と同じため、2周プレイすることになります。各面の開始時やボス戦前には無線通信の演出が挿入され、ストーリーが強化されています。

プレイヤーは、1本のレバーと対空ショット用、対地ショット用の2つのボタンを使って操作します。対空ショットは連射可能ですが、対地ショットは一度に1発のみ発射できるため、戦略的なプレイが求められます。パワーアップアイテムは敵キャリアを破壊することで出現するのではなく、特定数の敵を倒すことで得られます。画面上部には「PLANE」と「TANK」という2つのゲージが表示され、これを満たすことでパワーアップが可能です。

対空パワーは2連装バルカンからレーザー、ツインレーザーへと進化し、対地パワーは前方のみから3方向、5方向に拡張されていきます。また、ボス戦では、プレイヤーの戦闘機が小さくなる低空飛行状態になり、攻撃方向を自由に変えることが可能になります。これは、同社の別タイトルである『タイムパイロット』に似たプレイスタイルとなっています。

BGMと音楽

ゲームのBGMは、「きんごろう」こと小倉努が担当しており、CD『KONAMI GAME MUSIC COLLECTION Vol.0』に収録されています。このCDには、若き少年がゲームのBGMを録音しようとする様子が描かれたストーリーが添えられています。山下章によると、本作のBGMは「マニアの間で伝説的に語られてきた名曲」とされ、特にゲームの2面BGMはループせずに終了するため、一部が収録されていない問題もありました。しかし、2011年にリリースされたCDBOX『KONAMI SHOOTING COLLECTION』では、全曲が修正・収録されています。さらに、1面や5面のBGMは他のコナミゲームでも使用され、ゲーム音楽ファンの間で親しまれています。

このように『フラック・アタック』は、コナミのシューティングゲームの中でも特異な存在で、独自の操作感や音楽性が楽しめる作品となっています。

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