フラッグ (企業)

株式会社フラッグは、東京都渋谷区に本拠を構える日本のデジタルマーケティング企業です。特に映画、動画配信サービス、アニメ、ゲーム、放送、音楽といった幅広いエンターテイメント分野に強みを持ち、デジタル領域における多様なマーケティング支援を展開しています。

その主要な事業は、ソーシャルメディアを活用したマーケティングを中心としたデジタルプロモーションです。プロモーションの企画立案から、メディアへの情報発信（パブリシティ）、広告運用、ソーシャルメディアアカウントの運用管理、さらには映像制作やウェブサイト制作、ライブ配信、キャンペーン事務局運営に至るまで、デジタルマーケティングプロセスを一気通貫で提供できる体制を確立しています。これにより、クライアントは多岐にわたるニーズに対して、ワンストップでのサポートを受けることが可能です。また、エンターテイメント分野で培ったノウハウを活かしつつも、幅広い業種のクライアントに対してサービスを提供しています。

フラッグは、デジタルマーケティングに加え、エンターテイメントそのものに関する事業も積極的に展開しています。映画やエンタメコンテンツの自社IP（知的財産）の企画・製作を手がけるほか、海外のパートナーとの映画共同製作にも取り組んでいます。過去には映画専門の学校（ニューシネマワークショップ）の運営も行っていました。近年では、海外作品の買付、配給、そして宣伝プロデュース事業にも参入しており、例えば「コット、はじまりの夏」や「エンドレス・サマー デジタルリマスター版」といった作品の日本公開を手がけています。さらに、「有田と週刊プロレスと」シリーズや「有田プロレスインターナショナル」といったネット配信向けトークバラエティ番組、YouTubeチャンネルの企画・製作も行うなど、コンテンツホルダーとしての側面も強化しています。

事業拡大に伴い、国内では渋谷の東京本社を拠点に、札幌、名古屋、大阪、広島、松山、福岡、沖縄と主要都市にオフィスを展開しています。また、海外市場への展開として、2019年3月にはアメリカ・ロサンゼルスに現地法人「Flag Pictures, Inc.」を設立。海外市場に向けたマーケティングサービスやクリエイティブ制作の提供も行っています。

近年、フラッグは業界のデジタルトランスフォーメーション（DX）推進においても重要な役割を担っています。2024年8月には、日本の大手映画会社である松竹と東映との間で資本業務提携を締結し、映画マーケティングのDXを目指す「シネマDXプロジェクト」を立ち上げました。さらに、同年9月にはTOKYO FMとの資本業務提携を通じ、「株式会社ラジオDXアライアンス」を共同で設立。この合弁会社を通じて、ラジオ業界における新たなデータマーケティング商材の開発や、リスナーとの関係性を深めるファンマーケティングに取り組んでいます。これらの提携は、フラッグがデジタル技術とマーケティング力を基盤に、伝統的なメディア産業の変革を推進する意欲的な姿勢を示しています。

フラッグのルーツは、創業時の2000年当初に始まったネット動画配信用コンテンツ制作にあります。その後、オンラインPRやソーシャルメディアを活用したプロモーションなど、当時の最先端デジタルマーケティング手法をいち早く事業に取り入れ、今日の強固な基盤を築き上げました。この先進性と、エンタメ分野への深い理解、そして企画から実行までを一貫して担う総合力が、フラッグの大きな特色と言えます。

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