フラッシュ! イナズマン

1974年6月25日、日本コロムビアよりレコード番号SCS-230として発売されたシングル「フラッシュ! イナズマン」は、当時放送されていた特撮テレビドラマ『イナズマンF』を彩る主題歌を収めた作品です。

このシングルには、番組の開始と終了を飾る二つの重要な楽曲が収録されています。

表題曲：フラッシュ! イナズマン
この楽曲は、『イナズマンF』のオープニングテーマとして使用されました。力強いメロディと歌詞が、主人公イナズマンの活躍や変身シーンを盛り上げ、視聴者を一気に番組の世界へと引き込みました。
歌唱は、アニメソングや特撮ソングで活躍したヒデ夕樹が担当。魂のこもった歌声が、ヒーローの熱い戦いを表現しています。
作詞は、多くの東映特撮作品を手掛ける際に用いられる共同ペンネーム、八手三郎によるものです。

カップリング曲：イナズマン・アクション
シングルのB面には、番組のエンディングテーマである「イナズマン・アクション」が収められています。こちらは、アニメソング界のカリスマ、水木一郎が歌唱を担当しました。
エンディングテーマにふさわしく、物語の余韻やイナズマンの孤独な戦いを思わせるような、ドラマチックで情感豊かな楽曲です。
作詞は、『イナズマンF』の生みの親でもある漫画家、石森章太郎自身が手掛けています。原作者ならではの視点で描かれた詞は、作品のメッセージを深く伝えています。

楽曲を支えた制作陣
これらの楽曲はいずれも、特撮・アニメ音楽の第一人者である渡辺宙明が作曲・編曲を担当しています。彼の独創的かつダイナミックなサウンドは、それぞれの楽曲が持つ魅力を最大限に引き出し、『イナズマンF』という作品の世界観を音楽面から力強く支えました。渡辺宙明が生み出す勇壮なメロディと、ヒデ夕樹、水木一郎という実力派歌手の歌唱、そして八手三郎、石森章太郎による言葉が融合し、記憶に残る名曲が誕生したのです。

後世への影響
このシングルに収録された楽曲は、時を経ても多くのファンに愛され続けています。特にオープニングテーマである「フラッシュ! イナズマン」は、様々な形でカバーもされています。例えば、ヘヴィメタルバンドのアニメタルは、彼らのアルバム「アニメタル・マラソンII 特撮編」においてこの曲をカバーし、原曲の持つエネルギーを現代に再解釈して披露しました。これは、オリジナル楽曲が持つ普遍的な魅力と、それが時代を超えて受け継がれている証と言えるでしょう。

シングル「フラッシュ! イナズマン」は、『イナズマンF』という作品のサウンドトラックとしてだけでなく、当時の特撮ソング文化を語る上で欠かせない一枚です。名立たるクリエイターとアーティストが集結して生まれたこれらの楽曲は、今なお色褪せることなく、多くの人々に感動を与えています。

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