フランク・チキンズ

フランク・チキンズ（Frank Chickens）は、1982年に英国のロンドンで誕生した、カズコ・ホーキをはじめとする在英日本人アーティストを中心としたユニークなパフォーマンス・グループです。

グループは結成翌年の1983年、シングル「We Are Ninja / Fujiyama Mama」を発表し、英国の音楽雑誌『NME』が選出するインディペンデント・チャートで9位という成績を収めました。この成功を受けて、同年6月には当時人気を博していたザ・スミスの英国ツアーにフロントアクトとして帯同し、注目を集めました。

1984年にリリースされたシングル「Blue Canary」は、英国放送協会（BBC）ラジオ1で著名なDJジョン・ピールが手掛ける人気番組『Festive 50s』において、その年の年間ランキングで42位に選ばれるなど、彼らの独特な音楽性はメディアでも高く評価されました。

音楽活動にとどまらず、フランク・チキンズはテレビ番組にも進出しました。1989年には英国チャンネル4テレビで放送された番組「カズコズ・カラオケ・クラブ」で、中心メンバーであるカズコ・ホーキが司会を務めました。

1990年代に入ってもその活動は続き、1993年には英国芸術庁の支援を得て、イギリス国内を巡るツアーを実施しました。また、1994年には世界有数の大規模音楽フェスティバルであるグラストンベリー・フェスティバルに出演するなど、そのパフォーマンスの場を広げていきました。

長年にわたる活動と独特のユーモア、パフォーマンスは高く評価され、2010年8月には権威あるエジンバラ・コメディ・アワードを受賞しました。

ザ・フォールのマーク・E・スミスは、『NME』誌のインタビューにおいて、フランク・チキンズのアルバムに言及し、「『We Are Frank Chickens』は、一番気に入っているアルバムだ」とコメントを残しており、その音楽が他のアーティストにも影響を与えていたことがうかがえます。

フランク・チキンズの主な作品としては、以下のようなものがあります。

アルバム
We Are Frank Chickens (1984年)
Get Chickenized (1987年)
The Best of Frank Chickens (1987年)
Club Monkey (1988年)
Pretty Frank Chickens (1992年)
The 90 Days(1992年)
UnderFloor World (1994年)

シングル
We Are Ninja / Fujiyama Mama (1983年)
We Are Ninja (Not Geisha) (1984年)
Blue Canary / China Night(1984年)
Yellow Toast (1987年)
Do the Karaoke / Jackie Chan (1989年)
Annabella / Different (1996年)
We Are Ninja Remix (2000年)

また、メンバーはテレビドラマなどにも出演しており、例えば「90日間トテナム・パブ」では、カズコ・ホーキがカズコ役、他のメンバーがチカ・ミカ（フランク・チキンズ役）として出演しました。

そのユニークな音楽性とパフォーマンス、多岐にわたるメディアでの活動を通じて、フランク・チキンズは英国のエンターテイメントシーンにおいて独自の地位を確立しました。

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