フランク・ブルーノ

フランク・ブルーノ、本名フランクリン・ロイ・ブルーノは、1961年11月16日にイギリスで生まれた男性プロボクサーです。パワフルなパンチと恵まれた体格で、ヘビー級のリングで人気を博しました。

ブルーノは1982年3月17日にプロキャリアをスタートさせました。キャリア初期には順調に勝利を重ねましたが、1984年5月13日、後のWBA世界ヘビー級王者となるジェームス・スミスとの対戦で、10回KO負けを喫し、プロとして初めて土がつきました。

その後、着実に実力をつけ、1985年10月1日にはEBU（ヨーロッパボクシング連合）ヘビー級王座を獲得しました。さらに1986年3月4日には、元WBA世界王者のゲリー・コーツィーを相手にわずか1回TKOで圧勝するなど、世界レベルでの実力を示しました。

世界王座への挑戦は彼のキャリアにおいて大きなテーマとなりました。1986年7月19日、WBA世界ヘビー級王者ティム・ウィザスプーンに挑みましたが、11回TKO負けでタイトル獲得は叶いませんでした。続く1988年2月25日には、当時圧倒的な強さを誇っていたWBA・WBC・IBF統一ヘビー級王者マイク・タイソンと対戦。善戦するも5回TKOで敗れ、再び世界の頂点には届きませんでした。

タイソン戦後、一時リングから離れる期間がありましたが、1991年11月20日に復帰を果たします。そして1993年10月1日、同国出身のライバル、WBC世界ヘビー級王者レノックス・ルイスに挑戦。壮絶な打撃戦となりましたが、7回TKO負けを喫し、3度目の世界挑戦も失敗に終わりました。

しかし、ブルーノは諦めませんでした。1995年9月2日、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われたWBC世界ヘビー級タイトルマッチで、王者オリバー・マッコールに挑戦。キャリア4度目の世界挑戦となったこの試合で、ブルーノは最後まで集中力を切らさず戦い抜き、3-0の判定で見事勝利。長年の夢であった世界ヘビー級王座、それも名誉あるWBCのベルトを獲得するという快挙を達成しました。この瞬間、会場は熱狂に包まれ、英国国民は英雄の誕生を祝いました。

しかし、栄光は長く続きませんでした。初防衛戦の相手は、奇しくも因縁の相手マイク・タイソンでした。1996年3月16日に行われた再戦で、ブルーノは3回TKO負けを喫し、わずか半年で王座から陥落しました。この試合で目を負傷し、現役を続けることが困難であると医師から告げられたため、この試合を最後にプロボクサーとしてのキャリアに終止符を打ちました。

引退後、ブルーノは私生活での困難や心労が重なり、精神的な問題を抱えるようになります。2003年には双極性障害と診断され、治療と向き合うこととなりました。後に、過去の薬物使用経験が精神疾患の一因となった可能性についても公に語っています。

輝かしいキャリアと不屈の精神で世界王座を獲得したフランク・ブルーノは、リング内外での苦難を乗り越えながら、今も多くの人々に記憶されています。

獲得タイトル

* WBC世界ヘビー級王座（防衛0）

もう一度検索