フランケンシュタインの復活

『フランケンシュタインの復活』（原題：Son of Frankenstein）は、1939年、ユニバーサル・スタジオが製作したホラー映画です。公開時は『フランケンシュタイン復活』という邦題で上映されました。

この作品は、メアリー・シェリー原作の小説『フランケンシュタイン』を基にして作られたシリーズものの続編であり、前作から時間を置いて、新たな物語が展開されます。舞台は、陰惨な過去を持つフランケンシュタイン家の領地。そこに、ウォルフ・フォン・フランケンシュタインとその家族が戻ってきます。ウォルフは、名家の後継者として、領地を再興させようとしますが、そこは過去の出来事の影が色濃く残る、不穏な場所でした。

物語の中心人物であるウォルフを演じるのは、ベジル・ラスボーン。彼は、冷酷さと優しさの両面を併せ持つ複雑な人物像を巧みに演じ分けています。そして、シリーズでお馴染みのフランケンシュタインの怪物は、ボリス・カーロフが再び怪演。彼の圧倒的な存在感は、作品全体に重厚な雰囲気を与えています。

さらに、物語に深みを与える重要な脇役として、ベラ・ルゴシ演じるイゴールの存在が挙げられます。怪しげな雰囲気を漂わせるイゴールは、怪物とウォルフ、そして物語全体を影から操る存在として、独特の存在感を示しています。

この映画の見所は、単なる怪奇現象の描写にとどまらない、人間ドラマの深さです。フランケンシュタイン家を取り巻く人々の葛藤や、過去の過ちと向き合う登場人物たちの苦悩が丁寧に描かれ、観客の感情を揺さぶります。また、ゴシック調の美しいセットや、時代を感じさせる衣装も、作品の魅力を高めています。

『フランケンシュタインの復活』は、単なるホラー映画ではなく、人間の業や運命といった普遍的なテーマを扱った、重厚なドラマでもあります。豪華なキャスト陣の演技、緊迫感あふれる展開、そして時代を感じさせる映像美など、見どころは満載です。

後に製作されたコメディ映画『ヤング・フランケンシュタイン』は、本作をベースにしたパロディ作品として有名です。背骨の曲がった男や、片腕が義手の警部など、本作のキャラクター設定をコミカルに踏襲した作品となっており、脚本の骨子も忠実にパロディ化されています。この事からも、『フランケンシュタインの復活』が、後世の映画作品にも大きな影響を与えた作品であることがわかります。

キャストには、他にライオネル・アトウィル演じるクローグ警視、ジョセフィン・ハッチソン演じるエルザ・フォン・フランケンシュタイン、ドニー・ダナガン演じるピーター・フォン・フランケンシュタインなどが名を連ねています。これらの俳優陣の演技も、作品全体の質を高める上で重要な役割を果たしています。DVD版には日本語吹き替え版も収録されており、より多くの観客が本作を楽しむことができるようになっています。

『フランケンシュタインの復活』は、ホラー映画史に残る名作として、現在でも多くのファンを魅了し続けています。その高い評価は、緻密な脚本、豪華なキャスト、そして時代を超越したテーマの深さによるものと言えるでしょう。一度鑑賞すれば、その魅力に取り憑かれること間違いありません。

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