フランシスコ・アルセ

フランシスコ・ハビエル・アルセ・ロロン：南米を席巻した名サイドバック

フランシスコ・ハビエル・アルセ・ロロン（Francisco Javier Arce Rolón、1971年4月2日 - ）は、パラグアイの首都アスンシオン出身の元サッカー選手であり、現在はサッカー指導者として活躍しています。現役時代は主にディフェンダー、特に右サイドバックとしてその才能を発揮し、「チキ (Chiqui)」の愛称で親しまれました。ガンバ大阪在籍時には「チキアルセ」として登録されていました。

選手経歴

アルセは、パラグアイリーグの強豪セロ・ポルテーニョで頭角を現し、その実力が認められ1995年にブラジルの名門グレミオFBPAへ移籍。移籍初年度からコパ・リベルタドーレス優勝に大きく貢献し、その名を南米中に轟かせました。1999年にはSEパルメイラスへ移籍し、再びコパ・リベルタドーレスを制覇。クラブレベルでの実績を積み重ねました。

インターコンチネンタルカップには2度出場。1995年はアヤックスに、1999年はマンチェスター・ユナイテッドに敗れましたが、1996年に日本で開催されたレコパ・スダメリカーナではインデペンディエンテを破り、見事優勝を果たしました。1998年、2000年、2001年には、ブラジルの著名なサッカー雑誌Placar誌が選ぶベストイレブンの右サイドバック部門で計3度選出され、当時ブラジル代表として世界的な評価を確立していたカフーを凌ぐ、南米最高の右サイドバックとまで評されました。

2003年には、Jリーグのガンバ大阪に完全移籍。大きな期待を背負い、2003年3月23日の京都パープルサンガ戦でJリーグデビューを飾りました。この試合で初出場、初ゴールを記録するものの、チーム戦術への適応に苦しみ、わずか16試合の出場に留まりました。その後、母国パラグアイへ帰国し、リベルタでプレーした後、2005年シーズン限りで現役を引退しました。

パラグアイ代表としても長きにわたり活躍し、1998 FIFAワールドカップ・フランス大会、2002 FIFAワールドカップ・日韓大会に出場。2002 FIFAワールドカップでは、グループリーグの南アフリカ戦でサンタクルスのゴールをアシストし、自身も直接フリーキックを決めるなど、その実力を世界に見せつけました。

指導者経歴

現役引退後の2007年、ルビオ・ニュの監督に就任し指導者としてのキャリアをスタートさせます。翌年にはクラブを2部リーグから1部リーグへ昇格させるという実績を残しました。2011年には、パラグアイ代表監督に就任しましたが、2014 FIFAワールドカップ・ブラジル大会の予選でチームの成績が振るわず、2012年に解任されました。

プレースタイルと評価

アルセは、卓越したテクニックと戦術眼、そして豊富な運動量を兼ね備えたサイドバックでした。攻撃的な姿勢も持ち合わせており、精度の高いクロスやフリーキックで多くのチャンスを演出しました。守備においても、対人能力が高く、相手の攻撃を封じ込めるだけでなく、積極的にボールを奪いに行く姿勢が評価されていました。南米最高の右サイドバックと評された彼のプレーは、多くのサッカーファンを魅了しました。

タイトル

選手時代
セロ・ポルテーニョ
プリメーラ・ディビシオン: 3回（1991、1992、1994）
グレミオFBPA
コパ・リベルタドーレス: 1回（1995）
レコパ・スダメリカーナ: 1回（1996）
カンピオナート・ガウショ: 2回（1995、1996）
カンピオナート・ブラジレイロ・セリエA: 1回（1996）
コパ・ド・ブラジル: 1回（1997）
SEパルメイラス
コパ・ド・ブラジル: 1回（1998）
コパ・メルコスール: 1回（1998）
コパ・リベルタドーレス: 1回（1999）
コパ・ドス・カンピオンイス: 1回（2000）
リオ・サンパウロ大会: 1回（2000）
個人
南米年間ベストイレブン: 7回（1996, 1997, 1998, 1999, 2000, 2001, 2002）

監督時代
ルビオ・ニュ
セグンダ・ディビシオン: 1回（2008）
セロ・ポルテーニョ
プリメーラ・ディビシオン: 1回（2013）
オリンピア
プリメーラ・ディビシオン: 1回（2015）

フランシスコ・アルセは、選手として、そして指導者として、パラグアイサッカー界に多大な貢献をした人物として、その名を歴史に刻んでいます。

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