フランス共和国臨時政府

フランス共和国臨時政府の歴史と概要

フランス共和国（République française）には、自由、平等、友愛を掲げる国の標語が存在し、国歌『ラ・マルセイエーズ』が歌われています。1944年に成立したフランス共和国臨時政府（GPRF）は、戦時中の特異な状況下において、国家の統治を担う重要な役割を果たしました。臨時政府は、シャルル・ド・ゴールが率いる自由フランスと、北アフリカに駐留していた旧ヴィシー政権の部隊が合流し、1944年6月3日に発足しました。

背景

フランスは第二次世界大戦の激動の中で、旧ヴィシー政権とその間接的な支配を受けていました。フランス国民解放委員会（CFLN）は1944年5月26日に、自己の権限を拡張する形で臨時政府になると宣言し、これが正式に成立することとなりました。ですが、当初は連合国の多くに承認されず、苦しいスタートを切りました。

1944年8月にはドイツ軍がパリから撤退し、フランス国内の情勢は大きく変わります。ド・ゴール自らがパリに入ることで臨時政府もこの地に移転し、フランス政府としての権威を確立していくことになります。1946年にはフランス第四共和政の成立に向けた憲法制定へと進みました。

政治状況

臨時政府は、前政権を反法的と見なし、ヴィシー政権によって発布された各種の法令を無効として扱いました。この中には反ユダヤ法や特別裁判所の設立に関する法律が含まれており、ヴィシー政権下の法律が一新される過程がありました。このような政治的変革は、深刻な国内対立を引き起こし、各党派の勢力図も大きく変わっていく要因となりました。

特に1945年の選挙では左派勢力が躍進し、共産党が第一党となるなど、政局は大きな変動を見せました。ド・ゴールは1946年1月に辞任し、フェリックス・グーアンがその後を継いで政府の首席となりました。ここから新たな憲法草案の制定が進められましたが、最初の国民投票は否決され、その後の選挙で新たに人民共和運動が政権を握ることとなります。

植民地政策

臨時政府の成立に伴い、植民地に関する政策も問題となりました。自由フランスは過去の合意を基に植民地の自治拡大を約束していましたが、実際の政策は基本的に従来の植民地支配の枠を維持していました。特にフランス領インドシナでは、独立を求める運動が高まり、植民地における政府との交渉が行われましたが、これが失敗に終わり、第一次インドシナ戦争へと発展することになりました。

臨時政府の主席

臨時政府には主席としてのリーダーが存在しました。シャルル・ド・ゴールがその最初の主席であり、その後は何度か政権が交代しました。最終的に1947年1月に新大統領が就任するまで、主席は国家の最高責任者としての役割を維持しました。

このように、フランス共和国臨時政府は戦後のフランスにおいて、憲法の制定や植民地政策の議論など重要な決定を行い、最終的に新たな第四共和政へとつながる重要な役割を果たしました。

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