フランス緊急対応軍団司令部

フランス緊急対応軍団司令部について

フランス緊急対応軍団司令部（Quartier Général du Corps de Réaction Rapide - France、略称：QG CRR-Fr）は、2005年7月1日に新たに設立された部隊指揮機関です。この司令部は、北大西洋条約機構（NATO）及び欧州連合（EU）の安全保障任務に参加するための地上軍即応部隊として編成されています。この軍団級司令部は、5,000人から60,000人規模の多国籍陸軍部隊を指揮し、迅速に準備を整えて世界中に展開する能力を求められています。

司令部には、400名以上のスタッフが勤務しており、これには13カ国の軍人や文民が参加しています。また、フランス緊急対応軍団司令部は、リール城塞という歴史的な場所に位置しています。この城塞は、16世紀にヴォーバン元帥によって設計され、「城塞の女王」と称されています。

フランスは2009年にNATOの軍事機構に復帰しましたが、独自の核政策を維持するために核計画部会（NPG）には参加せず、平時にはNATOの指揮下にすべての兵力が配置されるわけではありません。これは、他の欧州連合メンバー国が運用する同規模の部隊と若干異なるアプローチですが、求められる機能はほぼ同様です。

歴史的背景

フランス緊急対応軍団司令部は2005年に設立され、2007年にはNATOから高即応部隊に指定されました。設立から数年の間に、軍団は戦力投射能力を証明し、2008年7月から12月31日にかけて、NATO即応部隊の地上部隊司令部として任務に就いています。また、2009年春には70名の要員がEUFORチャド・中央アフリカ共和国の幕僚として派遣されています。さらには、2010年8月から2011年6月の期間に、アフガニスタンにおいて国際治安支援部隊統合司令部の一部に180名を派遣するなど、国際的な任務にも積極的に参加しています。

任務の範囲

フランス緊急対応軍団は通常、フランス軍の指揮下にあるものの、特定の任務に応じてNATOやEUの指揮下に置かれることがあります。具体的には、以下のような役割を持っています。

• - 軍団司令部
• - 地上部隊司令部
• - 共同統合地上部隊司令部
• - NATO即応部隊地上部隊司令部

この司令部は、待機警報が発令された後、迅速に目標地域の調査を行い、政治的決定から2日以内には司令部の派遣準備を進め、10日以内に実動可能な指揮所を設立することが求められています。

組織構成

フランス緊急対応軍団は司令部を常設としており、有事の際にはフランスを中心とした多国籍軍を指揮する仕組みになっています。多国籍軍としての性格を持つことから、内部の公用語は英語です。

司令部には、ドイツ、ベルギー、ブルガリア、スペイン、ギリシャ、イタリア、オランダ、ポルトガル、ルーマニア、トルコ、アメリカ合衆国など、12カ国以上から派遣された司令部要員が所属しています。いずれの国もNATOおよびEUに加盟しており、それぞれの貢献を通じて、協力体制が構築されています。

この組織は、パリやブリュッセル、モンス、ストラスブールといった重要な機関に近接しているため、迅速な意思決定と効率的な運営が可能な地理的メリットを持っています。

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