フランス連合

フランス連合 (Union française)

フランス連合は、第二次世界大戦後の1946年、フランス第四共和政の成立とともに誕生した国家連合体です。長きにわたる戦争で疲弊したフランスは、植民地における民族独立運動の激化という新たな課題に直面しました。この状況に対応するため、フランスは隣国イギリスのイギリス連邦をモデルとし、本国と植民地、保護領との間に新たな関係を築くことを目指しました。

概要

フランス連合は、フランス本国と植民地が平等な権利と義務を共有する連合体として構想されました。これは、従来の植民地支配からの転換を意味し、植民地地域の自治権拡大と経済発展を促進することを目的としていました。しかし、実際には、フランス本国が主導権を握り、植民地に対する影響力を維持しようとする側面もありました。

フランス連合は、フランス第四共和政下における統一組織として機能しましたが、その構造的な問題や植民地側の不満などから、次第にその存在意義が薄れていきました。そして、1958年にシャルル・ド・ゴールによって提唱されたフランス共同体へと改編され、その歴史に幕を閉じました。

構成

フランス連合は、以下の5つの主要な構成要素から成り立っていました。

1. フランス・メトロポリテーヌ: フランス本土およびフランス領アルジェリアを含みます。
2. 「旧」植民地: カリブ海のフランス領アンティル（グアドループ、フランス領ギアナ、マルティニーク、レユニオンなど。1946年に海外県となる）が含まれます。
3. 「新」植民地: 海外領土に改名された地域で、コートジボワール、ダホメ、ギニア、モーリタニア、ニジェール、セネガル、フランス領スーダン、オートボルタ、コンゴ、ガボン、ウバンギ・シャリ、チャド、コモロ、フランス領インド、マダガスカル、ニューカレドニア、フランス領ポリネシア、サンピエール島・ミクロン島、フランス領ソマリランドなどが含まれます。
4. 自由連合: フランス領インドシナの保護国（カンボジア、ラオス、ベトナム）。他の保護国もフランス連合への参加が期待されましたが、フランス保護領モロッコとフランス保護領チュニジアは加盟を拒否しました。
5. 信託統治領: フランス領カメルーンとフランス領トーゴランドが含まれ、委任統治を継承しました。

フランス連合からの脱退

フランス連合は、植民地の独立運動の高まりとともに、その結束力を失っていきました。いくつかの国は、フランス連合からの脱退を選択し、独立を達成しました。

カンボジア（1955年9月25日）
南ベトナム（1955年12月9日）
ラオス（1957年5月11日）

これらの国々の脱退は、フランス連合の弱体化を象徴する出来事であり、その後のフランス共同体への改編へと繋がっていきました。

関連項目

フランス極東遠征軍団
脱植民地化
フランス植民地帝国
フランス共同体
ブラザヴィル会議
* 第一次インドシナ戦争

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