フランス鉄道線路事業公社

フランスの鉄道インフラ管理の変遷

フランス鉄道線路事業公社（Réseau Ferré de France、略称RFF）は、その設立以来、フランス国鉄（SNCF）の鉄道網の所有及び維持管理を行う公的機関としての役割を果たしてきました。この機関は、商業的な側面を持つ公的施設法人（EPIC）として、鉄道インフラの発展に寄与してきました。

1997年、EUの規定に従い、SNCFの業務が上下分離されることが決定しました。この分離方式の導入により、列車の運行はSNCFが行い、一方でインフラの維持と管理はRFFが担当することになりました。RFFは、SNCFが所有するインフラ資産を管理し、これに伴う負債もSNCFからRFFに移行されました。このため、RFF自体はインフラ管理に特化し、主に借り替えなどの財政活動に注力するようになっていきました。

しかし、TGV（フランスの高速鉄道）の路線拡張に関連する建設計画が進められる中、RFFの債務は次第に増大しました。この点に関しては、SNCF側からも不満の声が上がるようになりました。特に、RFFがダイヤ編成権を掌握していたため、運行の調整や管理に関してSNCFが持つ権限や責任との間で緊張が生まれました。

その結果、フランスの運輸省と国会は、この問題を解決するための組織改革法案を提案し、議論を重ねた結果、2014年に国民議会で可決されました。この法案の意義は、SNCFとRFFが持つ役割を再評価し、再統合を促進するというものでした。

最後に、2015年1月1日、RFFは正式にSNCF傘下のインフラ保有部門「SNCF Réseau」として再出発することになりました。この再統合により、鉄道インフラの維持管理が効率化され、SNCFの運行とインフラの連携が強化されることが期待されています。

このように、RFFからSNCF Réseauへの移行は、フランスの鉄道運営の在り方に大きな影響を及ぼしました。将来的には、この再統合がフランス国内の鉄道網にどのような変化をもたらすのか、注目が集まります。

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