フランソワーズ・ロゼー

フランソワーズ・ロゼー（Françoise Rosay、1891年4月19日 - 1974年3月28日）は、フランスを代表する女優です。本名はフランソワーズ・バンディ・ドゥ・ナレシュ（Françoise Bandy de Nalèche）と言います。

パリで伯爵の娘として生まれ、母は著名なコメディ女優でした。両親、特に母親からは容姿や不器用さを理由に女優になることを反対されましたが、彼女はそれを押し切り、パリのフランス国立高等演劇学校（コンセルヴァトワール）で演技を学びました。卒業後は舞台女優としてキャリアをスタートさせ、オデオン座やオペラ座などの劇場で活躍しました。第一次世界大戦前には、リュシアン・ギトリーの巡業団に加わり、ロシアへも足を運びました。1913年には映画『ファルスタッフ』で映画デビューを果たし、徐々にその名を知られるようになりました。

1917年、彼女は映画監督のジャック・フェデーと出会い、結婚しました。彼女はフェデー監督の主要な作品に数多く出演し、その才能を開花させました。叙情的なドラマから大衆的な喜劇まで、幅広い役柄を演じ分け、観客を魅了しました。彼女の演技は、観客に大粒の涙を流させ、時には顎が外れるほど笑わせるほど、観客の心を揺さぶるものでした。長年の経験に裏打ちされた演技力は、彼女に堂々とした風格を与えました。

第二次世界大戦中、一家はドイツ軍占領下のパリを離れ、スイスのリヴ・ド・プランガン（Rive-de-Prangins）に避難しました。フランソワーズは、ジュネーヴの国立音楽芸術学校（Conservatoire de Genève）で演劇を教えながら過ごしました。1948年に夫のフェデーが亡くなった後、彼女は3人の息子（マルク、ポール、ベルナール）と共に喪に服し、その後、国際的な女優としての活動を再開しました。英語とドイツ語に堪能であったことも、彼女の国際的な活躍を支えました。

1974年、彼女はパリ郊外のモンジュロンで82歳で亡くなりました。彼女は生前、「100歳まで生きたくないわ。お品がないもの」（Je n'ai pas du tout envie de vivre centenaire. Ce ne serait pas poli.）という言葉を残したと伝えられています。彼女の遺体は、ウール＝エ＝ロワール県のソレル・ムーセル （Sorel-Moussel）の墓地に、夫フェデーと共に埋葬されています。ソレル・ムーセルは、大聖堂で有名なシャルトルの北北西に位置する町です。

彼女は生涯で数多くの映画に出演し、その中にはジャック・フェデー、ジュリアン・デュヴィヴィエ、マルセル・カルネ、ウィリアム・ディターレ、クロード・オータン＝ララ、ロベルト・ロッセリーニといった名監督の作品も含まれています。彼女の出演作品は多岐にわたり、その演技力は高く評価されています。

Françoise Rosay - IMDb（英語）
Conservatoire de musique de Genève（フランス語）

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