フランチェスコ2世 (両シチリア王)

フランチェスコ2世の生涯

フランチェスコ2世（1836年1月16日 - 1894年12月28日）は、両シチリア王国の最後の国王として知られています。在位は1859年から1860年までの僅か1年に過ぎず、彼の政権は数々の社会的、政治的困難に直面しました。その生涯は王国の運命と密接に結びついており、彼の統治の過程を通じて多くの出来事が影響を与えました。

生い立ち

フランチェスコ2世は、両シチリア王フェルディナンド2世と、サヴォイア家の王女マリーア・クリスティーナの間に生まれました。残念ながら、母は彼を生んだまま亡くなり、フランチェスコは父と継母の12人の兄弟の中で唯一、王位を継承する立場となりました。そのため、彼は特異な環境で育ち、複雑な性格を形成しました。信心深く、反動的で優柔不断という彼の性格は、後の国政にも影響を及ぼしました。

国王としての統治

1859年、フランチェスコはバイエルン女公マリー・ゾフィーと結婚し、同年の5月に王位を継承しました。しかし、その在位期間は短く、多くの政策を実行する余裕はありませんでした。それでも、彼がサレント出身のカルロ・フィランジェーリを宰相に任命したことは、重要な出来事の一つです。フィランジェーリは、サヴォイア家と協力し、南イタリアと北イタリアを結ぶ同盟の形成に努めました。

1860年になると、特に革命派の運動が活発化し、フランチェスコはガリバルディの進撃に直面します。同年5月、ガリバルディ率いる千人隊がシチリア島に上陸し、彼は多くの支持を集めました。フランチェスコはオーストリア皇帝に援助を求めましたが、ついに支持を失い、王国の崩壊に向かう運命が決まりました。

ガリバルディの上陸とサルデーニャ軍の攻撃

ガリバルディの力量は、彼がシチリアを迅速に制圧することで証明されました。フランチェスコは抵抗を試みましたが、彼らの勢力を止めることは不可能でした。加えて、サルデーニャ王国も侵攻を開始し、両シチリア王国は南北の両面から攻撃を受け、最終的に降伏を余儀なくされました。

フランチェスコは鎮圧を試みつつ、優れた指導力を発揮しようとしましたが、彼の決断力の欠如は致命的でした。最終的に1861年にガエタ要塞が陥落し、王国は消滅する運命をたどります。王妃と共に亡命生活を続けたフランチェスコは、イタリアのさらなる変動を見届けることとなるのです。

晩年と王位請求権

王国を喪失した後、夫妻は各地を転々としながら過ごしました。子供に恵まれず、唯一の娘も早世しました。フランチェスコ2世は晩年をトレンティーノで過ごし、1894年に58歳で生涯を閉じました。その死後もマリーア・ソフィアは王国の再興のために活動を続けましたが、期待は叶わず、1925年に亡くなります。

結論

フランチェスコ2世は、その複雑な性格と困難な状況の中で適切な指導力を発揮できずにいました。短い統治期間にも関わらず、彼の運命は南イタリアの王党派による尊敬や同情を受けることとなりました。王国の滅亡という悲劇的な結果がもたらされた彼の一生は、歴史において重要な一幕を形成しているのです。

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