フリオ・キリコ

フリオ・キリコ：イタリアの名ドラマーの軌跡

生い立ちとキャリアの始まり

フリオ・キリコ（Furio Chirico）は、1952年1月14日にイタリアのトリノで生まれました。幼いころから音楽に対する情熱を抱き、特にドラムに魅了されて育ちました。彼は12歳のときに、オープンハンド奏法へと切り替え、プロのドラマーとしての活動を始めました。この段階で彼のキャリアは着実に進展し、独特のドラミングスタイルを確立していきます。

1980年代初頭、彼はオリジナルの左右対称ドラム・セット・ポジション、通称「スペクラーレ」を考案し、これは彼のトレードマークとなりました。

音楽活動の本格化

キリコは1968年から1969年にかけて、イタリアのビート・グループ「イ・ラガッツィ・デル・ソーレ」に参加し、次に「マルト＆イ・ジュダス」に加入しました。これを経て、1972年から1974年には、ブリティッシュ・イタリアン・プログレッシヴ・ロック・バンド「ザ・トリップ」のドラマーとしての地位を確立しました。彼はバンドの創始者、ジョー・ヴェスコヴィやウェッグ・アンダーセンと共に、1972年に『アトランティデ』というアルバムをリリースしました。このアルバムは、彼にとって重要な作品となり、以降も『タイム・オブ・チェンジ』を発表するなど、活動を続けました。

新たな挑戦：アルティ・エ・メスティエリの創設

1974年、キリコはジジ・ヴェネゴーニやアルトゥーロ・ヴィターレと共にジャズ・ロック・バンド「アルティ・エ・メスティエリ」を設立しました。このバンドで彼は、オリジナルメンバーとして多くの名作を手掛け、その成果は今も多くのファンに愛されています。45年の歴史を誇る同バンドでは、彼の独創性と技術が詰まった作品が多数生まれました。

国際的な評価

2002年には、アメリカで開催される「モダン・ドラマー・フェスティバル」に参加しました。このイベントは、ドラマー界のグラミーとも称されるもので、キリコは後にも先にもこのフェスティバルで表彰されたイタリア人ドラマーとなります。彼の功績は、世界中の音楽ファンから認められており、国内外で高い評価を得ています。

最近の活動

2022年には、ザ・トリップのデビュー50周年を祝うために新たに「フリオ・キリコズ・ザ・トリップ」を結成し、活動を再開しました。彼の音楽への情熱は衰えることなく、現在も精力的に新たな音楽を追求しています。新しいアルバム『イクイノックス』をリリースし、ファンからの期待に応え続けています。

ディスコグラフィー

フリオ・キリコの音楽キャリアは、数多くのアルバムに記録されています。1980年代には『ラルトロ・ラト』、1990年代には『トランスアマッツォニカ』、2000年代には『フリオザメンテ』や『ファーザー・トゥ・サン』などがあります。また、アルティ・エ・メスティエリやザ・トリップとともに発表したアルバムは、ジャズ・ロックやプログレッシヴ・ロックの重要な歴史を形成しています。

まとめ

フリオ・キリコは、プログレッシヴ・ロックとジャズ・ロックの分野における先駆者として、その名を刻んでいます。豊かな音楽的バックグラウンドを持ち、多様なスタイルを取り入れながら進化し続ける彼の音楽は、多くのファンに影響を与え続けているのです。

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