フリトレー

フリトレー（Frito-Lay）

フリトレーは、アメリカを拠点とする巨大な食品・飲料企業であるペプシコ社傘下の菓子ブランドです。ポテトチップスやトルティーヤチップスなど、様々なスナック菓子を世界中で展開しており、そのルーツは二つの独立した企業に遡ります。現在、北米におけるフリトレー事業は、ペプシコ社の一部門であるフリトレー・ノース・アメリカが担っています。

設立までの歴史

フリト社

フリト社の歴史は、1932年にチャールズ・エルマー・ドーリンがコーンチップス製造を手がける企業として創業したことに始まります。創業翌年の1933年にはテキサス州ダラスに本社を移転し、事業基盤を固めました。1935年には研究開発部門を設け、ポテトチップスを含む多様な製品の開発・展開に着手するなど、積極的に事業を拡大しました。1945年には販売専門の子会社、ザ・フリト・セールス・カンパニーを設立し、販売網を強化。1954年には株式を公開し、企業の成長を加速させましたが、創業者ドーリンは1959年にこの世を去りました。

H.W.レー社

一方、H.W.レー社の源流は、1920年代にハーマン・レイがアメリカ南部で自動車を使ってポテトチップスの販売を始めたことにあります。彼は1932年にテネシー州ナッシュビルでポップコーン会社を創業。さらに1939年には、自身が以前勤めていたバレット・フード・カンパニーを買収し、H.W.レー・アンド・カンパニーを設立しました。本社は買収したバレット・フード・カンパニーと同じジョージア州アトランタに置かれました。

フリトレー社の誕生とペプシコへの統合

フリト社とH.W.レー社は、早い段階から協力関係にありました。1945年には、フリト社がH.W.レー社に対し、アメリカ南東部における自社製品の独占的なフランチャイズ権を付与しています。そして、1961年に両社は正式に合併し、「フリトレー株式会社（Frito-Lay, Inc.）」が誕生しました。これにより、二つの有力なスナック菓子メーカーが一つになりました。

さらにその4年後、1965年には、フリトレー社は清涼飲料水大手のペプシコーラ社と合併し、巨大企業ペプシコが誕生しました。この合併により、フリトレーはペプシコ社の強力な販売力と資金力を背景に、世界的な菓子ブランドへと成長していくことになります。

主なブランドと世界展開

フリトレーは、数多くの人気ブランドを抱えています。代表的なものとしては、ポテトチップスの「レイズ」、トルティーヤチップスの「ドリトス」、チーズ味スナックの「チートス」、そして日本でも展開されている「ドラゴンポテト」などがあります。これらのブランドは、それぞれの市場で絶大な支持を得ています。

フリトレーの事業は北米にとどまらず、世界各国に広範なネットワークを構築しています。オーストラリア、コロンビア、ベネズエラ、ドミニカ共和国、フランス、トルコ、ウクライナ、インド、オランダ、ポーランドなど、非常に多くの国に法人や拠点を持ち、現地の嗜好に合わせた製品開発や販売を行っています。

日本法人「ジャパンフリトレー」の歩み

日本におけるフリトレー事業は、独特の変遷をたどっています。1977年、日本初のポップコーン会社とされるマイクポップコーン有限会社と、日本の製菓会社である不二家、そしてフリトレー本社の三者が共同出資する形で、「不二家フリトレー」が設立されました。その後、1990年にはフリトレー本社が不二家の出資分を取得し、完全子会社化して「ジャパンフリトレー」と名称を改めました。

しかし、2009年にペプシコ社と日本の菓子大手カルビーが業務提携を結んだ影響により、ジャパンフリトレーはカルビーの完全子会社となりました。これにより、日本のジャパンフリトレーは、世界的なペプシコ/フリトレーグループの一員でありながらも、日本のカルビーグループの傘下で事業を展開するという形になっています。

フリトレーは、創業から今日に至るまで、二つの企業の合併、巨大企業への統合、そして世界展開を経て、人々に親しまれる様々なスナック菓子を提供し続けています。

もう一度検索