フリルフラマイド

フリルフラマイド（AF2）とは

フリルフラマイド（Furylfuramide）、通称AF2は、かつて日本で食品添加物として使用されていた物質です。主に防腐剤として、豆腐や魚肉ソーセージなどの食品に添加されていました。

歴史

1965年に厚生省（現厚生労働省）によって認可されました。しかし、その安全性に疑問が呈されるようになり、1970年代前半には社会問題化。1974年8月27日に食品添加物としての認可が取り消され、使用が禁止されました。

有毒性の指摘と社会問題化

AF2の毒性が最初に問題視されたのは、1969年のテレビ番組がきっかけでした。番組内で、AF2を溶かした水槽に金魚を入れる実験が行われ、金魚が死んでしまう様子が放送されたのです。この放送を巡り、製造元の上野製薬が番組関係者を告訴する騒動も起きました。

その後、研究によってAF2に染色体異常や遺伝子突然変異を引き起こす可能性が指摘されました。また、発がん性があることや、体内でより毒性の強い物質に変化する可能性も示唆されました。これらの研究結果を受け、食品メーカーがAF2の使用を取りやめるなど、社会的な不使用の動きが広がりました。

使用禁止とその後の批判

1974年、AF2は食品添加物としての認可を取り消され、使用が禁止されました。さらに、厚生省がAF2を認可した際の安全性試験データが、実際には製造メーカー側のデータであったことも判明し、認可過程における問題点も指摘されました。

一方で、薬品関係の研究者からは、AF2の危険性が過大評価されているという意見も出ています。当時の研究水準や試験方法に限界があり、現在では生体においてはほぼ毒性がないという評価が広がっています。

現在の評価

2014年現在では、AF2は「in vitro（試験管内）では陽性だが、in vivo（生体内）では陰性」と評価されています。これは、試験管内では変異原性を示すものの、生体内ではほとんど毒性を示さないことを意味します。ただし、これはあくまで研究者の間での評価であり、一般的に安全であるとされているわけではありません。

まとめ

フリルフラマイド（AF2）は、かつて食品添加物として使用されていましたが、安全性への懸念から使用が禁止されました。その経緯や毒性については様々な議論があり、現代においても評価が分かれています。

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