食品添加物

食品添加物について

食品添加物とは、食品を製造・加工する際に加えられる物質を指し、広範囲にわたる用途があります。これには、食品の外観や風味を良くするためのものや、保存性を高めるためのものなどが含まれています。以下、自体のさまざまな側面について詳しく見ていきましょう。

主な用途と種類

食品添加物の用途は多岐にわたります。代表的なものとしては、以下が挙げられます。

1. 製造用剤: 豆腐を固める凝固剤（にがりやマグネシウム塩）、麺作りに使うかんすい、ビールの濾過用活性炭などがこのカテゴリに入ります。
2. 風味や外観の改善: 食品の味や見た目を引き立てるために使用される甘味料、着色料、香料などがあります。
3. 保存料・酸化防止剤: 食品の腐敗や変質を遅らせる保存料や、酸化を防ぐための添加剤も必要です。
4. 栄養強化: 食品の栄養成分を強化するための栄養強化剤も含まれます。

食品添加物はさらに、天然由来のものと化学合成されたものに分けられます。例えば、ビタミンや天然色素は天然由来とされ、一方でコールタールから作られるタール色素は化学合成によるものです。

国際機関の役割

食品添加物に関する国際的な規制を策定するために、1956年にWHOはJECFA（FAO/WHO合同食品添加物専門家会議）を設立しました。JECFAは、一日に摂取する上限量、すなわちADI（Acceptable Daily Intake）を定めています。この量は、動物実験を通じて評価され、健康に悪影響を及ぼさないとされる基準に基づいて算出されています。

ADIの分類

ADIの具体的な設定方法にはいくつかのカテゴリーが存在します:

• - 暫定ADI: 追加データを待つ間に設定された基準。
• - 使用制限なし: 毒性が極めて低い物質に適用される。
• - 未評価: 十分なデータがなく食品添加物として使用が不適当とされるもの。
• - 現在の使用を認める: 現時点での使用に問題がないと判断された場合。

日本の規制の歴史

日本における食品添加物の規制は長い歴史を持ち、1876年に東京府が外国製着色料の使用を禁じたことが始まりとされています。その後、1900年代初頭には、中毒事件が相次ぎ、法律が整備されるようになりました。1947年には食品衛生法が制定され、添加物使用の条件が厳格に定められました。1960年代には添加物の指定が進み、現在では361種以上の添加物が指定されています。

表示の規定

日本では、食品添加物に関する表示が厳格に管理されており、消費者が分かりやすい情報を得られるように配慮されています。表示免除の条件や一括表示も認められ、使用された重量によって多い順に表記することが求められています。

海外の事例

アメリカやヨーロッパにおいても、添加物に関する規制や透明性の確保が重要視されています。特に、アメリカでは1938年に食品・医薬品・化粧品法が制定され、摂取による健康リスクを監視する仕組みが整えられました。また、1980年代からは、E番号による添加物の表示が導入され、消費者がより簡単に添加物の種類を理解できるようになりました。

添加物に対する考え方

食品添加物をどう捉えるかについては、賛否が分かれることもあります。添加物を気にする消費者も多い一方、栄養強化や食の安全を支えるためには必要不可欠な要素でもあります。また、無添加を掲げる製品に対する信頼の是非も問い直されることがあります。安全性の評価や関連研究が進む中、消費者がしっかりと情報を理解することが求められています。

食品添加物は、私たちの日常生活に密接に関連しており、それに対する理解を深めることが重要です。

もう一度検索