フリードリヒ・ヴィルヘルム (ナッサウ＝ヴァイルブルク侯)

フリードリヒ・ヴィルヘルム（Friedrich Wilhelm von Nassau-Weilburg, 1768年10月25日 - 1816年1月9日）は、18世紀後半から19世紀初頭にかけて生きたナッサウ＝ヴァイルブルク侯です。1788年から1816年まで侯爵として領地を治めました。

生涯

フリードリヒ・ヴィルヘルムは、ナッサウ＝ヴァイルブルク侯カール・クリスティアンと、オラニエ公ウィレム4世の娘カロリーネの間に生まれました。父の死後、侯爵位を継承し、領主としての道を歩み始めます。

1806年、ナッサウ公国が創設されると、フリードリヒ・ヴィルヘルムは、同族であり30歳年長のナッサウ＝ウジンゲン侯フリードリヒ・アウグストと共に公国を共同統治することになります。フリードリヒ・アウグストには息子がおらず、後継者問題が浮上していました。そこで、ウジンゲン侯の有するナッサウ公爵位は、ウジンゲン家の断絶後、ナッサウ＝ヴァイルブルク家の当主であるフリードリヒ・ヴィルヘルムが継承することが内定していました。

しかし、運命は皮肉なものでした。1816年1月9日、フリードリヒ・ヴィルヘルムは居城であるヴァイルブルク城の階段から転落し、急逝してしまいます。その後、わずか2か月後の3月24日には、ナッサウ公フリードリヒ・アウグストも亡くなり、ナッサウ公爵位はフリードリヒ・ヴィルヘルムの長男ヴィルヘルムが引き継ぐことになりました。ヴィースバーデンにはナッサウ公国の公世子宮殿（Erbprinzenpalais）が新たに建設されていましたが、ヴィルヘルムがこの宮殿を使用することはありませんでした。

家族

フリードリヒ・ヴィルヘルムは、1788年7月31日にキルヒベルク城伯ヴィルヘルム・ゲオルクの娘で、ザイン＝ハヒェンブルク伯領の女子相続人であるルイーゼと結婚しました。二人の間には、以下に示す4人の子供が生まれています。

ヴィルヘルム（1792年 - 1839年） - ナッサウ＝ヴァイルブルク侯、のちナッサウ公
アウグステ（1794年 - 1796年）
ヘンリエッテ・アレクサンドリーネ（1797年 - 1829年） - 1815年、オーストリア大公カールと結婚
フリードリヒ・ヴィルヘルム（1799年 - 1845年）

フリードリヒ・ヴィルヘルムの生涯は、ナッサウ公国の創設と、その後の公爵位継承という歴史的な出来事と深く結びついていました。不慮の死によって公爵位を継承することは叶いませんでしたが、彼の血筋は息子ヴィルヘルムへと受け継がれ、ナッサウ公国の歴史に名を残すことになったのです。

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