フリードリヒ5世 (シュヴァーベン大公)

フリードリヒ5世の生涯

フリードリヒ5世（1164年7月16日 - 1170年ごろ）は、神聖ローマ帝国のフリードリヒ1世の子であり、シュヴァーベン大公として短命であったものの、その生涯はさまざまな歴史的出来事と結びついています。彼の両親は、フリードリヒ1世とブルゴーニュ女伯ベアトリス1世で、彼の誕生はヨーロッパの貴族社会において重要な意味を持ったと考えられています。

婚約とその影響

フリードリヒ5世は、1165年4月にイングランド王ヘンリー2世の娘であるエリナーと婚約しました。この結婚は両国間の関係を強化する意図があったとされていますが、彼の早世により実現しませんでした。フリードリヒが存命であれば、この婚約は彼の家族や国家にとって大きな利益をもたらした可能性が高いでしょう。

シュヴァーベン大公への即位

1167年8月、先代のシュヴァーベン大公フリードリヒ4世がイタリア遠征中に亡くなりました。フリードリヒ4世は、ローマ王コンラート3世の唯一の息子であったため、彼の死によりコンラート3世の家系は絶え、シュヴァーベンの領地は皇帝フリードリヒ1世の管理下に置かれることとなりました。この状況を受けて、当時わずか3歳のフリードリヒ5世がシュヴァーベン大公に任命されることとなりました。

弟との関係

1169年6月、バンベルクでの会議において、フリードリヒ5世の弟ハインリヒがローマ王に選出されました。その年の8月15日にはアーヘン大聖堂において戴冠式が執り行われました。フリードリヒ5世は生まれた時から体調が優れず、幼少期を生き延びることが難しいと見なされていたため、王位継承から外されたと考えられています。このような背景から、フリードリヒ5世は弟が有力な地位を占める一方で、歴史の表舞台には登場しづらい存在となったのです。

死と埋葬

フリードリヒ5世は、1170年初頭に死亡したと見られています。彼の婚約者エリナーは、その後カスティーリャ王アルフォンソ8世と結婚しました。この事実から、フリードリヒ5世の生涯は1170年の初めに終わったとされています。彼はロルヒ修道院に埋葬され、その修道院はホーエンシュタウフェン家の重要な墓所となっています。

名の受け継ぎ

フリードリヒ5世の死後、皇帝フリードリヒ1世は三男コンラートにフリードリヒの名を与えました。この新しいフリードリヒ（後のフリードリヒ6世）はシュヴァーベン大公位を継承し、フリードリヒの名はホーエンシュタウフェン家の中で重要な位置を占め続けました。フリードリヒ6世の次男オットーは1170年の夏に生まれたとされ、フリードリヒ5世の没後に生まれたため、彼がこの名を受け継ぐことになったのだと考えられています。

このように、フリードリヒ5世の短い生涯にも関わらず、彼の存在はホーエンシュタウフェン家の歴史において重要な位置を占め、名は後世にわたり受け継がれることとなりました。

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