フリードリヒ6世 (シュヴァーベン大公)

フリードリヒ6世の生涯

フリードリヒ6世（1167年2月 - 1191年1月20日）は、シュヴァーベン大公として名を馳せた中世の貴族である。彼は神聖ローマ皇帝フリードリヒ1世とブルゴーニュ女伯ベアトリス1世の三男として、イタリアのモディリアーナで生まれた。当初の名はコンラートであり、1170年に兄シュヴァーベン大公フリードリヒ5世が死去した後、この名を継承し、シュヴァーベン大公位に就くこととなる。歴史書の中には、彼と兄を混同する記述も見受けられ、フリードリヒ6世の名がフリードリヒ5世とされている場合もあった。

フリードリヒ6世の大公位継承は、ホーエンシュタウフェン家の重要な節目とも言える。しかし、彼の改名によって、1172年に生まれた弟の名前もコンラートとなり、混乱を生じさせた。彼の父、フリードリヒ1世は息子が成年に達するまでデーゲンハルト・フォン・ヘレンシュタインをシュヴァーベン大公領の総督に任命していた。

1179年には、フリードリヒ6世にシュヴァーベン大公領の拡張が与えられ、バイエルン公ヴェルフ1世やフレンドルフ伯ルドルフとの相続契約も成立した。1181年には、彼の紋章にライオンが描かれ、これがホーエンシュタウフェン家における初の表現として歴史に名を残した。的確なデザインは後のシュヴァーベン大公ハインリヒ7世のシールにも登場し、バーデン＝ヴュルテンベルク州の紋章にも影響を与えている。

1181年、未成年であった彼はデンマーク王ヴァルデマー1世の娘との婚約を果たす。具体的な娘の名前は不明であるが、後に新たなデンマーク王となったクヌーズ6世が持参金の支払いを拒否したため、婚姻は成立せず、皇帝フリードリヒ1世は1187年に婚約者を返送した。このデンマーク王女はインゲボルグと見なされ、のちに不幸な結婚をする運命にあった。

1184年、フリードリヒ6世は父フリードリヒ1世より、兄ローマ王ハインリヒ6世と共に騎士としての名誉を受けた。その際には、豪華な贈り物が贈られ、乗馬試合が行われたが、嵐により試合は混乱をきたし、数名の死者が出た。この出来事は神からのしるしと解釈され、祝祭は中止となった。

1188年、フリードリヒ6世は父と共に第3回十字軍への参加を誓った。1189年に彼らは出発し、道中ではハンガリー王国に立ち寄る。そこで父と同盟関係にあるハンガリー王ベーラ3世の娘と婚約したが、フリードリヒ6世は結果的に十字軍の戦闘中に命を落とし、この婚約も果たされることはなかった。その後、コンスタンツィアはボヘミア王オタカル1世の妻となる。

フリードリヒ6世は、父が後衛を指揮する一方で、先陣を率いた。1190年6月、父皇帝が死去し、フリードリヒ6世はドイツ軍の指揮を引き継いだ。彼は故り故国を守るために兵を従え、エルサレムへ向かう決断を下すが、運命は彼を待ち受けていた。多くの兵士が故郷へ帰る中、彼はアッコに到達するも、マラリアにかかり命を落とした。彼の死は十字軍の士気に大きな影響を及ぼした。フリードリヒ6世はアッコに埋葬され、その名は歴史に刻まれることとなった。

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