フルタイムシステム

株式会社フルタイムシステム

株式会社フルタイムシステムは、宅配ボックスをはじめとするマンションインフラサービス、情報端末の開発、製造、販売を手掛ける企業です。1983年に世界で初めて宅配ボックスを開発し、以来、業界のリーディングカンパニーとして、革新的な製品とサービスを提供し続けています。

創業の背景と初期の歩み

創業者の原幸一郎は、マンション管理業に従事していた際、管理事務所で預かっていたゴルフバッグが盗難に遭うという事件を経験しました。この出来事がきっかけとなり、「管理員が不在でも安全に荷物を受け渡しできるシステムが必要だ」という強い思いから、宅配ボックスの開発に着手しました。

1986年5月に会社を設立。同年7月には、実用新案「配送物の安全保管管理システム（宅配ボックス）」を出願し、世界で初めて宅配ボックスの開発・販売を実現しました。この創業時からの革新的な取り組みが、現在のフルタイムシステムの基盤となっています。

事業の拡大と進化

フルタイムシステムは、宅配ボックスの開発を起点に、さまざまな事業領域へと拡大してきました。

1980年代: 宅配ボックスの開発・販売に加え、個人住宅向けの宅配ロッカーの開発、クリーニング受け渡しサービスを開始しました。
1990年代: 量産タイプのフルタイムロッカーを発売し、宅配便発送サービスを開始するなど、事業の多角化が進みました。
2000年代: クレジット決済サービスや冷蔵対応ロッカー、着荷メール配信サービスを導入し、利便性を向上させました。また、ICセキュリティ「F-ics」やサイクルシェアリング「F-rents」など、新たなサービスも展開しました。
2010年代: EV充電システムやカーシェアリング、食品宅配受取サービスなど、マンション向けサービスを拡充。また、環境大臣賞を受賞し、非常食循環システム付き宅配ロッカー「イーパルボックス」や顔認証によるマンションセキュリティシステム「F-ace」を開発するなど、技術革新を続けています。
2020年代: 除菌対応宅配ボックスや中小企業オフィス市場への本格導入、メルカリポストへの採用、調剤薬局向けピックアップロッカーの強化など、時代のニーズに合わせたサービスを展開しています。さらに、ヤフオク!やPayPayフリマとの連携、マンション向け宅配ロッカーからの「らくらくメルカリ便」の発送、宅配型トランクルーム「minikura」との連携など、利便性とサービス範囲を拡大しています。

近年の動向と未来への展望

近年では、フルタイムロッカーの利用者数が500万人を突破し、年間の荷物預かり個数は7000万個を超えるなど、その利用はますます拡大しています。2024年問題に対応する再配達削減ソリューション「フルタイムロッカーロボット宅配システム」の実証実験や、木製フルタイムロッカーの開発など、持続可能な社会の実現に向けた取り組みも積極的に行っています。

また、図書館向け予約図書受取ロッカーの設置や、EV充電インフラ事業分野での協業など、新たな分野への進出も積極的に進めており、これからも社会のニーズに応える革新的な製品とサービスの提供が期待されます。

受賞歴

フルタイムシステムは、長年にわたり、その技術力と革新的な取り組みが評価され、数々の賞を受賞しています。

エコプロダクツ大賞
グッドデザイン賞
環境大臣賞
紺綬褒章

製品・サービス

フルタイムシステムは、多様なニーズに対応するため、さまざまな製品とサービスを提供しています。

フルタイムロッカー: 宅配物の受け渡しを24時間可能にする宅配ロッカー。マンション向けだけでなく、オフィス、公共施設、商業施設など、さまざまな場所に設置されています。
POSTAKU: 郵便ポストと宅配ボックスの機能を一体化した製品です。
Fulltime@boX: オフィス向けのフルタイムボックスで、PCやプロジェクターなどの備品受け渡しを無人で行えます。
フルタイムボックス: 大学図書館や公共図書館向けのPCシェアロッカーや予約資料受取ロッカーがあります。
お薬フルタイムロッカー: 処方薬の受け渡しを効率化し、待ち時間を削減する専用ロッカーです。
* チャレンジボックス: 低価格リースモデルの賃貸専用宅配ボックスです。

その他にも、集荷発送サービス、顔認証セキュリティサービス、サイクルシェアリング、マンションカーシェアリング、EV充電システム、食品宅配受取サービスなど、多岐にわたるサービスを提供しています。

事業所・施設

フルタイムシステムは、全国に事業所を展開しており、本社は東京都千代田区にあります。また、関連会社として、株式会社フルタイムシステム八戸、株式会社フルタイムロッカー、株式会社フルタイムファームなどがあります。



フルタイムシステムは、宅配ボックスの開発から始まった企業ですが、その技術力と革新的な発想で、人々の生活をより便利で快適にするための挑戦を続けています。今後も、新たな技術やサービスを開発し、社会に貢献していくことが期待されます。

もう一度検索