フルデプスリーダー

フルデプスリーダー：深海を制したリーダーの軌跡

2017年1月28日生まれの競走馬、フルデプスリーダー。その名に込められた「深海などの最深部＋リーダー」という力強い意味は、まさにその競走生活を象徴していると言えるでしょう。2022年のエルムステークス制覇という輝かしい実績を残し、多くのファンを魅了した名馬の生涯を振り返ってみましょう。

競走馬としてのキャリアは、2018年のセレクションセールから始まります。1歳馬としてセリにかけられたフルデプスリーダーは、1500万円（税別）という高値で落札されました。この時点で、その将来性を高く評価されていたことが分かります。

2019年6月、阪神競馬場での2歳新馬戦でデビュー。惜しくも2着に終わりますが、続く11月には東京競馬場での2歳未勝利戦を制し、初勝利を挙げます。その後は条件クラスを経験し、地道に実力をつけ、4歳11月にはオープン入りを果たしました。

5歳シーズンは、7月のマリーンステークスでオープン戦初勝利を飾ります。そして迎えた8月7日、初の重賞挑戦となるエルムステークス。スタートでやや出遅れながらも、持ち前の粘り強さで先行勢の後方につけると、直線で鋭く伸び上がり、逃げるウェルドーンをクビ差で差し切りました。念願の重賞初制覇、そして、大きな自信を掴んだ瞬間でした。

続く重賞連勝を目指した9月28日の日本テレビ盃では、スタート前に暴れて負傷、競走除外という悔しい結果に終わります。しかし、彼は諦めませんでした。仕切り直しとして挑んだ11月12日の武蔵野ステークスでは、思うような結果を残せず15着に終わりますが、それでも持ち前の闘志は衰えることはありませんでした。

6歳シーズンを迎えたフルデプスリーダーは、4月16日のアンタレスステークスで始動しました。しかし、このレースでは中団追走も直線で伸び切れず、13着と大敗を喫します。このレースを最後に、同年6月14日付けでJRAの競走馬登録を抹消され、現役を引退することとなりました。

引退後は、北海道むかわ町のエクワインレーシングで乗馬として第二の馬生を歩み始める予定です。これまで幾多のレースを戦い抜いたフルデプスリーダーは、今度は人々を乗せて新たな喜びを届けることになるでしょう。

その血統背景にも注目が集まりました。近親には、重賞8勝を挙げたアドマイヤムーンや、2021年皐月賞など重賞4勝の輝かしい実績を持つエフフォーリアといった名馬がいます。これらの名馬の血を受け継いだフルデプスリーダーは、そのポテンシャルの高さを示すものと言えるでしょう。

フルデプスリーダーの競走生活は、決して順風満帆なものではありませんでした。しかし、その中で培われた強靭な精神力と、勝利への執念は、多くの競馬ファンに感動と勇気を与えてくれました。重賞制覇という栄光だけでなく、その努力と挑戦の姿勢こそが、フルデプスリーダーという馬を記憶に残る存在にしたと言えるのではないでしょうか。これからも、乗馬として第二の輝かしい人生を歩んでくれることを願ってやみません。

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