セレクションセール

北海道日高軽種馬農業協同組合 セレクションセール：競走馬セリ市の歴史と現状

北海道日高軽種馬農業協同組合（HBA）が主催するセレクションセールは、競走馬のセリ市として高い評価を得ています。毎年7月、セレクトセールの翌週の平日に、北海道日高郡新ひだか町静内にある同協同組合北海道市場で開催されます。

かつては年に数回、1歳馬を対象とした「特別市場」として開催されていましたが、2001年からは年1回の開催に集約されました。現在の開催時期は、概ね7月第3週の平日です。

セリ市に出品される競走馬は、厳選された馬たちです。以前は販売希望者の自己評価や販売希望価格なども選定基準でしたが、近年はHBAセレクションセール上場馬選考委員会が定めた血統基準に基づいた審査が行われています。書類審査に加え、現地での実馬調査も実施され、その厳格さは日本唯一と言えるでしょう。北海道のみならず、東北地方や九州の生産牧場からも多くの申し込みがあり、競争率の高いセリ市となっています。

購買者が安心してセリに参加できるよう、工夫も凝らされています。売却できなかった馬についても「主取り」の手数料を徴収するシステムを採用することで、出品者への負担を軽減し、セリ市の活性化に貢献しています。その結果、近年は売却率、総額ともに年々新記録を更新する好調ぶりを見せています。

2020年は新型コロナウイルスの影響で、8月下旬に開催時期を移動しましたが、平均価格と売却総額は過去最高を記録しました。2021年も売却率が新記録を達成するなど、好況が続きました。2022年には会期が2日間へと延長されました。

さらに、2018年からはサマーセールの前日に「サマープレミアムセール」（2019年は一時休止）も開催されています。サマープレミアムセールとセレクションセールでは、出品馬の上場申し込みを同時に受け付け、HBAの審査基準に基づき、成長曲線などの要素も考慮した上で審査が行われます。これにより、馬の最適な季節に出品できるようになり、出品馬の分散化が図られています。

2024年には、会期がさらに1日延長され、初日にはより厳選された馬をラインナップした「プレミアムセッションの部」が新設されました。これは、より高品質な競走馬を求めるバイヤーのニーズに応えるための施策と言えるでしょう。

セレクションセール出身の活躍馬

セレクションセールから数多くの活躍馬が輩出されています。GI級レース優勝馬を始め、多くの重賞競走で勝利を収めた馬が多数存在します。以下に、セレクションセール出身馬の一例を示します。括弧内は上場年です。太字はGI級レース優勝を示します。

サニングデール（2000年） - 2002年ファルコンステークス、函館スプリントステークス、CBC賞、2004年阪急杯、高松宮記念
ハードクリスタル（2001年） - 2006年東海ステークス、ブリーダーズゴールドカップ
フィールドルージュ（2003年） - 2007年名古屋グランプリ、2008年川崎記念
ピカレスクコート（2003年） - 2007年ダービー卿チャレンジトロフィー
ロジック（2004年） - 2006年NHKマイルカップ
メルシーエイタイム（2004年） - 2007年中山大障害、東京ハイジャンプ
…（多数の活躍馬）…
ホッコータルマエ（2010年） - 多数のGI級レース優勝
ビッグアーサー（2012年） - 高松宮記念、セントウルステークス
メイショウダッサイ（2014年） - 中山大障害、東京ハイジャンプ、阪神スプリングジャンプ
アルクトス（2016年） - マイルチャンピオンシップ南部杯 (2回)
ジャックドール（2019年） - 大阪杯、札幌記念、金鯱賞
エエヤン（2021年） - ニュージーランドトロフィー
ミトノオー（2021年）- 兵庫チャンピオンシップ
* ダンツエラン（2023年） - ファンタジーステークス

これらの活躍馬は、セレクションセールの高いレベルを証明しています。今後も、セレクションセールから多くの優秀な競走馬が誕生することが期待されます。

出典：馬市ドットコム、HBAセレクションセール公式ホームページ

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