フルハウスキス

『フルハウスキス』は、2004年7月にカプコンがPlayStation 2用にリリースした乙女ゲームで、ジャンルは「恋愛家政婦アドベンチャー」に分類されます。作品は人気少女漫画家、佑羽栞によるキャラクターデザインが特徴であり、その後の続編『フルハウスキス2』は2006年に発売されています。また、最新作はダウンロード形式のPCゲームとして販売され、さらに携帯電話向けアプリとしても2010年から配信されています。メディアミックス展開も行われ、漫画版が白泉社の「花とゆめ」や「ザ花とゆめ」で連載され、全6巻としてまとまっています。

ゲームのストーリーは、15歳の少女、鈴原むぎが中心です。彼女は家族と穏やかに過ごしていましたが、姉・苗の失踪と両親の事故が重なり一文無しの状況に追い込まれます。むぎは姉を探す手掛かりを得るため、苗が通っていた祥慶学園に潜入を試みます。学園の生徒会長である御堂一哉と出会った彼女は、彼の条件である「家政婦」として彼の家に住むことになります。

遊び方は昼間のADVパートと夜間の家政婦パートがあり、プレイヤーはむぎとなって様々な状況に対応していくことになります。従来の恋愛ゲームとは異なり、本作は“付き合った後の出来事”が焦点であり、むぎは彼氏を振って他の同居人と関係を持つことも可能です。このように、恋人関係や友情、そして複雑な感情が織り交ぜられたストーリーはプレイヤーを引き込みます。

主な登場人物には、むぎの他に一哉をはじめ、松川依織、羽倉麻生、一宮瀬伊がいます。各キャラクターは異なる背景を持ち、それぞれの物語が進行していく中での彼らの成長や絆が描かれています。特に、むぎと一哉の関係は、冷静沈着な彼が家政婦であるむぎとの共同生活を通じて変化する様子が魅力的です。

ゲーム内では、むぎは臨時教師として美術を教えつつ、家政婦としての業務をこなすというダブルライフを送り、多様な人間関係に直面します。また、彼女が生活する御堂家には、ラ・プリンスと呼ばれる個性豊かな男性が同居しており、彼らとの関係性が物語の核心となります。

このように『フルハウスキス』は、サスペンスや感情ドラマ、人間関係の深さを持つゲームで、プレイヤーに様々な選択肢を与えます。作品の魅力は単なる恋愛模様だけでなく、友情や信頼、成長といったテーマを含んだところにあります。

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