フレジュス道路トンネル

フレジュス道路トンネルは、フランスのモダーヌとイタリアのバルドネッキアを結ぶ、アルプス山脈を貫通する主要な有料道路トンネルです。フレジュス鉄道トンネルと並行して走り、両国間の重要な交通路として機能しています。イタリア側ではアウトストラーダ網のT4トンネルとして分類されています。

概要

トンネルの全長は約12.9kmで、イタリア領内が6.8km、フランス領内が6.1kmとなっています。1980年7月12日に開通し、それまでフレジュス鉄道トンネルで行われていた自動車輸送サービスは廃止されました。運営は、フランスのSFTRF（フランス・フレジュス道路トンネル会社）とイタリアのSITAF（イタリア・フレジュス道路トンネル会社）の2社が行い、それぞれが自国領土内の区間を管轄しています。SFTRFは、1962年から1989年までピエール・デュマが社長を務めていました。

イタリア側は、アウトストラーダ・トリノ - バルドネッキア(A32)に接続しています。ウルクスの手前で国道24号デル・モンジネーブロから分岐する国道335号もトンネル手前の検問所に接続しています。フランス側は、リヨンに続くオートルート・デ・ラ・モーリエンヌ(A43)に接続しており、観光および商用利用のどちらにも通行料がかかります。開通から20年間で、2000万台以上の車両がこのトンネルを通過しました。

1999年にモンブラントンネルで発生した火災事故を受けて、2000年代初頭にトンネルの安全性が大幅に強化されました。最高速度70km/時、車間距離150mといった厳格な規制が導入されたほか、最新の煙と炎の検知技術（D.A.I.システム）、温度検出装置、管制室(P.C.C.)の監視装置が設置されました。また、130m間隔で消火システムが設置されたほか、トンネル内には11箇所の避難所が設けられ、管制室につながる電話やスピーカー、新鮮な空気を導入する通気口が設置されています。さらに、トンネル入口にはサーモグラフィポータルが設置され、車両の発熱状況を監視しています。

火災事故と安全対策

安全対策が強化されたにも関わらず、2005年6月4日には火災事故が発生し、トンネルは数週間閉鎖されました。その後、乗用車、商用車の順で再開されました。

消防体制

トンネル内には4つの消防隊が配置されています。

イタリア側チーム
フランス側チーム
トンネル内に2チーム（それぞれ入口から約4,000m地点）

上下線分離化

欧州横断輸送ネットワークの指令に準拠するため、2011年7月にはフランス側から2本目のトンネル掘削工事が開始されました。2014年11月17日に貫通し、全長は12.848km（フランス領内6.495km、イタリア領内6.353km）です。当初は2022年6月に運用開始予定でしたが、パンデミックや資材調達の遅れにより2023年秋に延期されました。2本目のトンネルの開通により、フレジュストンネルは欧州で最も長い上下線分離トンネルになる予定です。

脚注

注釈：特になし
出典：特になし

関連項目

トンネル
フレジュス鉄道トンネル
アウトストラーダ
* アウトストラーダ一覧

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