フレックスポート

フレックスポート：物流業界のデジタル変革を牽引する企業

フレックスポート（Flexport Inc.）は、アメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置く、貨物輸送の仲介サービスを提供する企業です。ImportGeniusの共同創業者であるライアン・ピーターセンによって設立されました。

概要

国際的な商品輸送は、複雑なプロセスを伴います。船、航空機、鉄道、トラックなどの輸送手段の手配から、税関手続きまで、多くのステップが必要です。そのため、世界には、荷主から商品を預かり、一連のプロセスを代行するフレイト・フォワーダー（貨物利用運送業者）が数多く存在します。

従来のフレイト・フォワーダーの多くは、情報伝達に紙や電子メールを使用し、古いシステムに基づいてスプレッドシートや進行表で管理しています。しかし、フレックスポートは、この業界のデジタル化にいち早く着手しました。その結果、輸送事業者や通関事業者の受託条件をデータベース化し、荷主が無料で検索できるようにしました。また、倉庫業者や輸送キャリア間のコミュニケーション、荷物の追跡にも対応し、大まかな配達予定日ではなく、正確な配送日を提供できる点が大きな特徴です。

革新的なデータベースの活用

フレックスポートのデータベースを利用することで、荷主は輸送ルートや料金などの条件に応じて、最適な輸送サービスを容易に見つけることができます。また、出荷データをもとに顧客のリスクを算出し、輸出から代金回収までの資金調達を支援する貿易金融サービスも提供しています。

ImportGeniusとの関係

フレックスポートの創業者であるライアン・ピーターセンは、高校生の頃から、兄のデビッド・ピーターセンと友人のマイケル・カンコが運営する、中国から介護用浴槽を輸入する会社を手伝っていました。カリフォルニア大学バークレー校を卒業後、2002年にその会社に入社しました。その後、MBA取得のためにコロンビア・ビジネス・スクールに在学中の2007年、ソフトウェアを用いて物流業界を近代化することを思いつき、3人でImportGeniusを設立しました。

ImportGeniusは、税関に提出される手続き関連書類を収集・データベース化し、全ての貨物をリアルタイムで追跡できるサービスを提供しました。2008年には、Appleの輸出入データベースを分析することで、iPhone 3Gの出荷時期を的中させ、大きな話題となりました。その後、Yコンビネータの支援を受け、兄とともにBuildZoomやフレックスポートを設立しました。

沿革

2013年3月：ライアン・ピーターセンによって設立
2014年4月1日：シリーズAラウンドでピーター・ティール主導により690万ドル調達
2015年8月6日：シリーズAラウンドでピーター・ティール主導により2,210万ドル調達
2016年9月26日：シリーズBラウンドでピーター・ティール主導により6,500万ドル調達
2017年9月21日：シリーズCラウンドでDST Global主導により1億1,000万ドル調達
2018年4月27日：コーポレートラウンドでS.F. Express主導により1億ドル調達
2019年2月21日：ベンチャーラウンドでSoftBank Investment Advisers主導により10億ドル調達

関連情報

フォワーダー：貨物利用運送業者のこと。

外部リンク

* Flexport

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