フレデリック・チャイルド・ハッサム

フレデリック・チャイルド・ハッサム（1859年 - 1935年）は、アメリカ合衆国を代表する印象派の画家として知られています。

生い立ちと初期のキャリア

ハッサムはボストンで生まれ、幼い頃から絵を描くことに情熱を注いでいました。高校を中退後、出版社で経理の仕事に就きながら、フリーランスのイラストレーターとして活動を開始。「Harper's Weekly」や「Scribner's Monthly」といった雑誌に挿絵を提供しました。また、ボストンの画家であるウィリアム・リマーに絵画を学び、ボストン美術クラブの夜間コースやローウェル協会にも通い、技術を磨きました。初期の頃は、ボストンとその郊外の風景画を多く描いています。

ヨーロッパへの旅と印象派との出会い

1883年、ハッサムは初めてヨーロッパを訪れ、イタリア、フランス、オランダ、スペイン、イギリスなどを旅しました。この旅で、彼はイギリスの画家、ウィリアム・ターナーの水彩画に強い影響を受けました。1886年には、ニューヨークで開かれたフランス印象派の展覧会に触発され、再びヨーロッパへ。パリのアカデミー・ジュリアンに入学し、ギュスターヴ・ブーランジェやジュール・ジョゼフ・ルフェーブルに師事しました。パリでの3年間、ハッサムは印象派の技法を習得し、自身のスタイルを確立していきました。1889年には、サロン・ド・パリに出展し、パリ万国博覧会の展覧会にも参加し入選を果たしました。

アメリカ印象派の代表的画家として

1889年にアメリカへ帰国後、ハッサムはニューヨークに居を構え、アメリカにおける印象派の画家として活躍しました。1897年には、ジョン・ヘンリー・トワックトマンやジュリアン・オールデン・ウィアーらとともに米国芸術家協会を脱退し、「テン・アメリカン・ペインターズ」を結成。このグループは、アメリカの印象派の発展に大きく貢献しました。

ハッサムの作品は、明るい色彩と光の表現が特徴で、アメリカの風景や都市生活を鮮やかに描き出しています。彼の作品は、アメリカの印象派を代表するものとして、高く評価されています。

主な作品

「Rainy Day, Boston」
「July Fourteenth, Rue Daunou」
「The Fourth of July, 1916」
「Flags, Fifth Avenue」
「The South Ledges, Appledore」

参考文献

Der amerikanische Impressionismus. Ausstellungskatalog zu einer Ausstellung in Berlin und Wien. Smithsonian Institution Traveling Exhibition Service, Washington D. C. 1982.
Spanierman Gallery, New York City: Childe Hassam (1859–1935). New York City 1988, ISBN 0-945936-02-8.
William H. Gerdts: Amerikanischer Impressionismus. Meisterwerke aus öffentlichen und privaten Sammlungen der Vereinigten Staaten von Amerika. Ausstellungskatalog (Villa Favorita, Stiftung Thyssen-Bornemisza, Lugano-Castagnola). Eidolon, Einsiedeln 1990.
Ulrich W. Hiesinger: Childe Hassam. American Impressionist. Ausstellungskatalog (Jordan-Volpe Gallery, New York, 1994). 2. Auflage. Prestel, München u. a. 1999, ISBN 3-7913-2218-4.
H. Barbara Weinberg (Hrsg.): Childe Hassam: American Impressionist. Ausstellungskatalog Metropolitan Museum of Art. New Haven 2004, ISBN 1-58839-119-1.

もう一度検索