フレネミー

フレネミーとは？：友であり敵である複雑な人間関係

フレネミー（frenemy）は、「friend（友）」と「enemy（敵）」を組み合わせた造語で、「友人を装う敵」または「ライバルでありながら友人でもある」という、複雑な人間関係を表す言葉です。

フレネミーの語源と歴史

「frenemies」という言葉は、1953年にはソ連国民を指す言葉として使われていました。OxfordDictionaries.comによれば、「frenemy」という綴りも1950年代には存在していたとされています。Merriam-Webster.comによると、確認されている最も古い使用例は1977年です。

2000年には、テレビドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』で使用され、一般に広まりました。2012年には、ディズニー・チャンネルで『フレネミーズ』というテレビ映画が放送され、異なる状況に置かれた3組のフレネミーの関係が描かれました。

日本においては、2010年に雑誌『an・an』で「親友は本物？巷にはびこる“フレネミー”に気をつけろ！」という特集記事が掲載され、2012年にはフレネミー心理研究会の監修による書籍も出版されています。

フレネミーの関係性

フレネミーという言葉は、主にティーンエイジャーや若い世代の間で使われることが多く、映画やテレビ番組などにも頻繁に登場します。フレネミーの複数形は「フレネミーズ（frenemies）」です。

フレネミーと似た意味を持つ言葉としては、「mean girls」「diva」「gossip girl」「poison pal」などがあります。

ビジネスの現場においても、フレネミーの関係は珍しくありません。仕事環境がカジュアルになるにつれて、仕事とプライベートの境界線が曖昧になり、同僚との関係が複雑化するケースが増えています。仕事が忙しく、職場以外で友情を育む時間がないことも、フレネミー関係を生み出す要因の一つとなっています。

精神科医のポール・ドブランスキーは、フレネミーは「友人」「敵」「いじめっ子」になる可能性を秘めた存在だと分析しています。

フレネミーの例

フレネミーの関係は、様々な分野で見られます。

歌手のマライア・キャリーとニッキー・ミナージュは、ファッションセンスを巡ってフレネミーの関係にあると言われています。
テレビドラマ『ゴシップガール』の登場人物、セリーナ・ヴァンダーウッドセンとブレア・ウォルドーフは、フレネミー同士として描かれています。
* コメディアンのスティーヴン・コルベアは、自身の番組『ザ・コルベア・レポー』で、アメリカ合衆国と中国の関係をフレネミーだとジョークを飛ばしました。

フレネミーは、現代社会における複雑な人間関係を象徴する言葉の一つと言えるでしょう。

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