フレーム (ネットワーク)

フレームとは、コンピュータネットワークや電気通信において、デジタルデータを伝送する際の基本的な構成単位です。パケット交換システムにおいては、フレームはパケットを格納するためのコンテナとして機能します。一方、時分割多重化を採用するシステムでは、フレームは反復構造を持ち、データの流れを整理する役割を担います。

フレームの役割

フレームの主な役割は、受信側が送信されてきたビットやシンボルの列から、実際に伝送したいデータ（ペイロード）の開始位置と終了位置を正確に認識できるようにすることです。フレームには、この同期を確立するための特別なデータが含まれています。受信側が通信中にシステムに接続した場合、新しいフレーム同期シーケンスを検出するまでは、受信したデータは無視されます。これにより、データの欠落や誤った解釈を防ぎ、安定したデータ伝送を実現します。

OSI参照モデルにおけるフレーム

OSI参照モデルでは、データリンク層におけるプロトコルデータユニット（PDU）をフレームと呼びます。フレームは、データが物理層を介して伝送される直前の段階でカプセル化された結果です。具体的には、リンク層のプロトコルによって定められた伝送単位であり、リンク層ヘッダと、それに続くパケットで構成されます。

フレームは、フレーム同期用のビット、パケットペイロード、そしてフレームチェックシーケンス（誤り検出のためのデータ）など、一連のビットで構成されます。フレームと次のフレームの間には、フレーム間隔と呼ばれる一定の間隔が設けられ、受信側が次のフレームを処理する準備をするための時間を提供します。

フレームの種類

パケット交換で使用されるフレームには、以下のような種類があります。

イーサネットフレーム: ローカルエリアネットワーク（LAN）で広く使用されるフレーム形式です。
PPP（Point-to-Point Protocol）フレーム: シリアル回線などで使用されるフレーム形式です。
ファイバーチャネルフレーム: ストレージエリアネットワーク（SAN）で使用されるフレーム形式です。
V.42モデムフレーム: モデム通信で使用されるフレーム形式です。

これらのフレームは、それぞれのプロトコルや環境に合わせて、異なるヘッダやフッタ、ペイロードの構造を持っています。

フレームの入れ子構造

多くの場合、異なるサイズのフレームが入れ子構造になっていることがあります。例えば、非同期シリアル通信上でPPPを使用するケースを考えてみましょう。この場合、最初に8ビットのバイトごとにスタートビットとストップビットが付加され、これがフレーム化されます。次に、このフレームはヘッダとフッタでさらにフレーム化され、最後にフレーム境界を識別するためのオクテットでフレーム化されます。このように、複数の層でフレーム化することで、異なる通信プロトコルを組み合わせて利用することができます。

フレームは、データの送受信において非常に重要な役割を担っており、データの信頼性を保つための不可欠な要素となっています。

関連用語

データグラム: コネクションレス型のデータ伝送で使用される単位。
ジャンボフレーム: イーサネットで標準よりも大きなサイズのフレーム。
* 多重化: 複数のデータストリームを一つの回線で送る技術。

フレームに関する理解を深めることで、ネットワーク通信の仕組みをより深く理解することができるでしょう。

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