フロスト×ニクソン

映画『フロスト×ニクソン』の詳細

『フロスト×ニクソン』（原題: Frost/Nixon）は、2008年に公開されたアメリカの映画で、ピーター・モーガンの同名舞台をロン・ハワードが映画化した作品です。この映画は、1977年に行われたリチャード・ニクソン元大統領へのインタビューを描いており、実際の歴史的出来事に基づいています。

概要と背景

本作は、1972年から始まったウォーターゲート事件を背景に、1974年にニクソンが大統領を辞任するまでの過程を描いています。映画の中で、ニクソンは海軍のヘリコプター「マリーン・ワン」に乗り込んでホワイトハウスを去る姿が見られ、これをテレビで見たデービッド・フロストが、インタビューを行うことを決意します。
フロスト役にはマイケル・シーン、ニクソン役にはフランク・ランジェラが起用され、ランジェラはアカデミー賞主演男優賞の候補にも選ばれました。

撮影は2007年8月に行われ、映画は2008年の第52回ロンドン映画祭でワールドプレミアを迎えました。

ストーリーの展開

フロストは友人でプロデューサーのジョン・バートを説得し、カリフォルニアに向かいますが、最初はニクソンとのインタビューの放送権を売り込むのに苦労します。フロストは手金でインタビューを実現させるために奮闘し、サポートチームとしてボブ・ゼルニックとジェームズ・レストン・ジュニアを加えますが、インタビューに関する具体的な方向性を見失います。

フロストは特に、ニクソンからの告白を求めるようにアドバイスを受け、面談に臨むことになります。最初の数回の録音セッションでは、ニクソンが会話をコントロールしてしまい、フロストは厳しい質問をしようと奮闘しますが、思うように進展しません。

ウォーターゲート事件が焦点となる最終セッションの数日前、フロストは酩酊したニクソンから電話を受け、彼が抱える過去の苦悩やキャリアの重圧についての思いを聞きます。この電話がフロストに新たな視点を与え、その後のインタビュー準備に影響をもたらします。

クライマックスと結末

いよいよ最終セッションが始まると、フロストは用意した資料をもとに、より踏み込んだ質問を展開します。ニクソンはついに、自身の非倫理的な行為を認めつつ、「行動が大統領によってなされるなら、それは違法ではない」と発言します。この瞬間、フロストは彼の自白を引き出すことに成功し、インタビューは大きな注目を集めることになります。

最終的に、フロストはインタビューに感謝する一方、ニクソンもその成功を認めるスムーズな関係を築きます。二人の間には互いに対する理解が生まれ、互いの立場を尊重した交流が描かれています。

映画は、インタビュー後のフロストとニクソンのやり取りを通じて、最後にはニクソンが1994年に亡くなるまでこの話題に対する議論が続くことを示唆して締めくくられます。

評価と反響

『フロスト×ニクソン』は、Rotten Tomatoesで93%の支持率を得ており、Metacriticでも高評価を得るなど、多くの賞賛を受けた作品となっています。歴史的背景と心理戦をベースにしたドラマは、多くの観客に感動を与えています。

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