フロム・ゼロ (From Zero)
『フロム・ゼロ』は、
アメリカ合衆国のロックバンド、
リンキン・パークが発表した通算8枚目のスタジオ・
アルバムです。
2024年11月15日に全世界で同時に発売され、スタジオ作品としては実に7年ぶりの発表となりました。本作は、2017年の前リードボーカル、
チェスター・ベニントンの悲劇的な死、そしてそれに続く活動休止期間と前ドラマー、
ロブ・ボードンの脱退という困難な時期を経て、新たなリードボーカルにエミリー・アームストロング、そして新ドラマーとしてコリン・ブリテンを迎え、新生
リンキン・パークとして初めて世に送り出された
アルバムです。
概要
アルバムの存在は、
2024年9月5日に開催されたライブストリーミングイベントで、バンドが新体制での活動再開を発表すると同時に明らかにされました。この時、本作からのリード
シングルとなる新曲『The Emptiness Machine』も初披露されました。
アルバムタイトル『From Zero』には、バンドがLinkin Parkとなる以前の初期の名称であった「Xero」に立ち返るという意味と、同時に新たなメンバーを迎えてゼロから再出発するという、二重のメッセージが込められています。音楽性においては、バンドの出世作となったデビュー
アルバム『ハイブリッド・セオリー』やセカンド
アルバム『メテオラ』を思わせるヘヴィでエモーショナルなサウンドが随所に感じられます。一方で、それ以降の作品で探求してきた
エレクトロニック・ロックや
ポップ・ロックの要素も巧みに取り入れられており、過去と現在を繋ぐ、
リンキン・パークの多様性を改めて示すサウンドとなっています。
商業的な成功も収めており、リリース直後にはイギリス、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、ニュージーランド、スイスなど、世界中の10を超える国と地域で
アルバムチャートの初登場1位を獲得しました。ただし、母国アメリカでは惜しくも初登場2位という結果でした。
本作のリリースに先駆けて、「From Zero World Tour」と銘打たれたワールドツアーが
2024年9月11日から開始されました。このツアーには、長年バンドのギタリストを務める
ブラッド・デルソンが不参加を表明しており、彼の代わりにアレックス・フェダーがサポートギタリストを務めることが発表されています。
収録曲
本作には以下の楽曲が収録されています。
From Zero (Intro)
The Emptiness Machine (1st
シングル)
Cut The Bridge
Heavy Is The Crown (2nd
シングル、2024
League of Legends World Championship (Worlds 2024) アンセム)
Over Each Other (3rd
シングル)
Casualty
Overflow
Two Faced (4th
シングル)
Stained
IGYEIH (タイトルは歌詞「I give you everything I have」のイニシャリズム)
* Good Things Go
この
アルバムは、バンドが直面した大きな喪失と変化を経て、新たな音楽的旅路へと踏み出す重要な一歩を示しています。新旧のファンにとって、彼らの進化と不変の精神を感じ取れる作品と言えるでしょう。