フロリジーン

フロリジーンは、オーストラリアのメルボルンに本社を置くバイオテクノロジー企業で、遺伝子組み換え花卉の開発を専門としています。中でも、「青いバラ」の開発で世界的に知られています。

フロリジーンの歴史

1986年、フロリジーンはカルジーン・パシフィック（Calgene Pacific Ltd）として設立されました。当初から、遺伝子組み換え技術を用いて新しい花卉を生み出すことを目指していました。1991年には、ペチュニアから青色素を発現させる遺伝子の分離に成功し、この技術が後の「青いバラ」開発の基礎となりました。

1993年、カルジーン・パシフィックは、オランダで遺伝子組み換え花卉の開発を進めていたフロリジーンを買収し、翌1994年には社名をフロリジーンに変更しました。この買収により、両社の技術と知識が統合され、研究開発が加速しました。

サントリーとの協業

フロリジーンは、日本のサントリー（現サントリーフラワーズ）と共同で、画期的な花卉の開発に取り組みました。その最初の成果が、青紫色のカーネーション「ムーンダスト」です。ムーンダストは、遺伝子組み換えによって青色色素をカーネーションに導入した初めての例として、大きな注目を集めました。

その後、フロリジーンとサントリーは、長年の研究開発を経て、「青いバラ」の開発に成功しました。バラには本来、青色色素を作る遺伝子が存在しないため、遺伝子組み換えによって青色色素を作り出すことに成功したのです。この「青いバラ」は、世界で初めての遺伝子組み換えバラとして販売され、花卉業界に革命をもたらしました。

ニューファームによる買収とサントリーの親会社化

1999年、フロリジーンはオーストラリアの農薬大手企業であるニューファームに買収されました。しかし、2003年には、サントリーがニューファームの持つフロリジーン株式の大部分を取得し、フロリジーンはサントリーの親会社となりました。これにより、サントリーはフロリジーンの研究開発を主導し、さらなる革新的な花卉の開発を進めることになりました。

フロリジーンが開発した遺伝子組み換え花卉は、その美しさだけでなく、科学技術の進歩を示すものでもあります。今後も、フロリジーンは、遺伝子組み換え技術を駆使して、花卉業界に新たな可能性をもたらすことが期待されています。

もう一度検索