フロレンティーノ・ペレス

フロレンティーノ・ペレス・ロドリゲス

フロレンティーノ・ペレス・ロドリゲス（1947年3月8日生まれ）は、スペイン・マドリード出身の著名な実業家です。彼はレアル・マドリードのソシオであり、その会長を務めるとともに、スーパーリーグの初代会長としても知られています。また、建設企業ACSの経営者であり、ドラガードス社との経営統合を実現させ、スペイン最大、ヨーロッパで第3位の建設会社グループを形成しました。

レアル・マドリード会長としての歩み

ペレスは1994年にレアル・マドリードの会長選に初めて立候補しましたが、その時はラモン・メンドーサに敗れました。2000年には再度挑戦し、借金の清算とFCバルセロナからルイス・フィーゴを獲得するという公約を掲げて当選。彼は古くなった練習場の土地を地方自治体に売却することで負債を整理し、フィーゴの獲得に成功しました。このことで、ペレスは「銀河系軍団」を構築するというビジョンを持ち、毎年ビッグネームの獲得を宣言しました。

2001年にはジネディーヌ・ジダン、2002年にはロナウド、2003年にはデビッド・ベッカムをチームに迎え入れ、クラブの認知度を高めることに成功しました。これにより、レアル・マドリードはシーズン終了後に海外での親善試合を行い、世界中のファンにアピールする機会を拡大します。しかし、このようなツアーの影響で次シーズンの準備期間が短縮され、選手たちのコンディションが不十分なままシーズンを迎えることになります。

また、選手間の給与格差や守備の軽視などの問題が浮上し、次第にクラブのバランスが崩れていきました。特に、2006年にはUEFAチャンピオンズリーグやリーガ・エスパニョーラでの厳しい結果が続き、無冠のシーズンが確定的になる中で、ペレスは会長職を辞任せざるを得ませんでした。

再登場とさらなる成功

2009年、ラモン・カルデロンが会長を辞めた際、ペレスは再び会長選に立候補。彼以外の候補者は現れず、再び会長に就任しました。その後、バルセロナに匹敵するためにカカ、クリスティアーノ・ロナウド、シャビ・アロンソ、カリム・ベンゼマなどのビッグネームを獲得し、補強において2億5000万ユーロを投じるなどの大胆な施策を採りました。

2012年には、スタジアムのエスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウの全面改装計画に着手し、2019年に工事が始まり2023年に完成が予定されています。彼はその優れた経営手腕で短期間にクラブに多大な利益をもたらし、クラブ施設の近代化を促進しました。

批判と政治的手腕

とはいえ、ペレスの経営手法には賛否があることも事実です。彼はその強権的な姿勢が知られており、意に沿わない監督や無冠の監督に対しても容赦ない解任を行うことがありました。12年間で延べ8人の監督を解任するなど、その手腕には厳しい側面も見られます。また、選手の起用法に関しても現場への介入が強いとして、歴代の監督たちはペレスの方針を批判することもありました。

さらに、彼はオリンピック・リヨンの会長ジャン＝ミシェル・オラスとの良好な関係を築いており、リヨンからレアル・マドリードへの選手移籍や逆にリヨンへの放出が頻繁に行われています。

彼の経営手法やリーダーシップは、レアル・マドリードを世界的なクラブへと導く一因となりますが、その評価が分かれることは今後も続くことでしょう。

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