フーターズ・エア

フーターズ・エアとは

フーターズ・エアは、アメリカのレストランチェーンである「フーターズ」の経営者、ロバート・ブルックスによって設立された格安航空会社です。2003年3月6日に運航を開始し、サウスカロライナ州のマートルビーチを本拠地としていました。

設立と運航

フーターズ・エアは、フーターズ・オブ・アメリカの子会社として設立されましたが、実際の運航はブルックスが買収した航空会社であるペースエアラインズに委託されていました。マートルビーチ周辺には多くのゴルフ場があり、これらのゴルフ場を利用する顧客をターゲットとし、ゴルフ場への直行便として宣伝が行われました。

運航停止

しかし、2005年12月8日にはイリノイ州ロックフォードへの運航を終了し、2006年1月9日には全ての定期便の運航が停止されました。その後もペースエアラインズによるチャーター便の運航は継続されていましたが、2005年に発生したハリケーン「カトリーナ」と「リタ」の影響による燃料費の高騰を理由に、2006年4月17日には全てのチャーター便の運航も取りやめとなりました。

ユニークな機内サービス

フーターズ・エアは、通常の航空会社とは異なるユニークな機内サービスを提供することで、他社との差別化を図っていました。

軽食の無料提供: アメリカの格安航空会社では、食事などのサービスが省略されることが多い中、フーターズ・エアでは1時間以上の飛行時間がある便では軽食が無料で提供されていました。
フーターズ・ガールの同乗: 客室乗務員の他に、レストランと同じコスチューム（タンクトップとオレンジ色のホットパンツ）を着用した2人の「フーターズ・ガール」が同乗し、乗客の話し相手となっていました。このサービスは、フーターズならではのエンターテイメント性を航空機内にも持ち込んだものと言えるでしょう。

機材の特徴

フーターズ・エアで使用されていた機材は以下の通りです。

ボーイング737-200
ボーイング737-300
ボーイング757-200

機体の外観は、親会社のフーターズのイメージに合わせた白とオレンジ色のツートーンカラーで、細い青い帯が1本入っていました。機体と垂直尾翼にはフーターズのロゴマークが描かれていました。

「クラブクラス」の座席

格安航空会社でありながら、機内の座席シートピッチは34インチとゆったりしており、座席表皮は全て本革張りでした。これらの座席は、ターゲットとするゴルフ客にちなみ「クラブクラス」と名付けられていました。快適な座席空間を提供することで、顧客満足度を高める狙いがあったと考えられます。

まとめ

フーターズ・エアは、レストランチェーンのフーターズが設立した航空会社として、そのブランドイメージを活かしたユニークなサービスを展開しました。特に「フーターズ・ガール」の同乗は、他の航空会社にはない特徴であり、話題性を集めました。しかし、燃料費の高騰などの影響を受け、短期間で運航を停止することとなりました。

参考文献

「航空旅行ハンドブック 国際線版2004」イカロス出版

関連項目

* フーターズ

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