フー・アー・ユー (曲)

ザ・フー - フー・アー・ユー (Who Are You)

「フー・アー・ユー」は、イギリスのロックバンド、ザ・フーが1978年に発表した楽曲です。作詞・作曲はピート・タウンゼントが手掛け、同名アルバム『フー・アー・ユー』に収録されました。この曲は、ドラマーのキース・ムーンが参加した最後のアルバムからの先行シングルとしてリリースされ、バンドの代表曲の一つとして知られています。

楽曲解説

「フー・アー・ユー」は、複数のバージョンが存在することで知られています。アルバム収録バージョンは6分20秒ありますが、シングル盤では一部がカットされ、アメリカのシングル盤ではさらに短縮されたバージョンも存在します。また、歌詞についても、放送に適さない部分が変更されたオリジナルバージョンが存在し、後にリマスターCDに収録されました。

この曲は元々、ロックオペラ『ライフハウス』のために制作されたものですが、歌詞の内容はタウンゼント自身の体験に基づいています。彼は、過去のマネージャーとの法的な争いを終えた後、クラブで深酒をし、そこで偶然にもセックス・ピストルズのメンバーに出会います。泥酔したタウンゼントは彼らに説教をし、その後、警察官に介抱されるという醜態を晒してしまいます。しかし、その一方で、タウンゼントは1971年に訪れたインドの導師、メヘル・バーバーの家に感銘を受けたという思い出も歌詞に反映させています。

ミュージックビデオ

ザ・フーのドキュメンタリー映画『キッズ・アー・オールライト』には、この曲のレコーディング風景を模した映像が収録されています。しかし、実際には、この映像は映画のために再レコーディングされたものであり、オリジナル版とは異なっています。また、2004年にリリースされたDVDには、新たに製作されたミュージックビデオが特典映像として収録されています。

コンサートパフォーマンス

「フー・アー・ユー」は、1977年12月に初披露され、その後もザ・フーのコンサートで頻繁に演奏されています。キース・ムーンの死後、新ドラマーの加入後もセットリストに加えられ、ライブアルバムにも収録されました。再結成コンサートでも度々披露され、2004年のロイヤル・アルバート・ホール公演では1曲目を飾りました。

メディアでの使用

この曲は、人気TV番組『CSI:科学捜査班』のテーマ曲として使用されています。また、日本のドキュメンタリー番組『ヒューマニエンス〜40億年のたくらみ〜』でも、イントロダクションとして使用されています。

カバーバージョン

「フー・アー・ユー」は、数多くのアーティストによってカバーされています。スピン・ワン・ツーやステレオフォニックスなどが、それぞれのスタイルでこの曲を蘇らせています。

「フー・アー・ユー」は、ザ・フーの音楽的才能と、ピート・タウンゼントの個人的な体験が融合した、時代を超えて愛される名曲です。

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