ブエルタ・ア・エスパーニャ2007

ブエルタ・ア・エスパーニャ2007：激戦の記録

2007年9月1日から9月23日にかけて開催された、第62回ブエルタ・ア・エスパーニャ。このレースは、その年のグランツールの最終戦として、世界中の自転車ファンから注目を集めました。

コースの特色

レースは、スペイン北西部のガリシア州ポンテベドラ県ビーゴをスタートし、スペイン全土を時計回りに巡るコースが設定されました。そして、最終日は首都マドリードにゴールするという、壮大なスケールで展開されました。コースレイアウトの特徴として、序盤に山岳ステージが集中しており、選手たちの脚力を試される厳しい道のりとなっていました。チームタイムトライアルは実施されず、個人タイムトライアルが2回設けられました。

参加チームと注目選手

2007年のUCIプロツアー参加チームのうち、アスタナとユニベットを除く18チームに加え、主催者推薦を受けたアンダルシア、カルピン・ガリシア、リラックス・ガムの3チームが参加。合計21チームが、この難関レースに挑みました。

しかし、前年のブエルタでトップ3を飾ったアレクサンドル・ヴィノクロフ、アレハンドロ・バルベルデ、アンドレイ・カシェチキンといった有力選手が、ドーピング疑惑やチーム事情により出場を見合わせるという波乱の幕開けとなりました。これにより、優勝候補が不在となり、大混戦が予想されました。

レース展開

第4ステージでは、ウラジミール・エフィムキンが勝利し、総合トップに躍り出ました。しかし、デニス・メンショフが1分6秒差で追いかける展開となります。第8ステージの個人タイムトライアルでは、ステイン・デヴォルデルが3位に入り、総合トップを奪取。メンショフに30秒差をつけました。一方、エフィムキンは1分28秒差の3位に後退しました。

第9ステージでは、レオナルド・ピエポリが区間優勝。メンショフがピエポリと同タイムでゴールしたのに対し、デヴォルデルは4分58秒遅れてのゴールとなり、大きく順位を落としました。これにより、メンショフが総合トップに立ち、2位のエフィムキンに2分1秒差、3位のカデル・エヴァンスに2分27秒差、4位のカルロス・サストレに3分2秒差をつけることに成功しました。

レース前半に山岳コースが集中していた影響もあり、第17ステージまで上位陣の順位はほとんど変動しませんでした。その後、2位以下の順位変動はあったものの、メンショフは安定した走りを見せ、2年ぶり2度目の総合優勝を飾りました。カルロス・サストレが総合2位、サムエル・サンチェスが総合3位に入りました。

メンショフは、総合優勝に加え、山岳賞とコンビネーション賞も獲得。総合優勝と山岳賞のダブル制覇は、1995年のローラン・ジャラベール以来の快挙となりました。

結論

ブエルタ・ア・エスパーニャ2007は、有力選手の欠場により混戦が予想されましたが、デニス・メンショフが安定した力を見せ、見事総合優勝を飾りました。山岳賞、コンビネーション賞も獲得し、メンショフの力が際立った大会となりました。

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